ここに紹介するイギリス盤アルバムは、2001年にCastleからモノ・ミックス、スレレオ・ミックスさらにシングル曲、アウトテイクをボーナストラックとして収録したCDがリリースされたが、現在はすでに廃盤で入手困難になっている。 日本でもボーナストラックを加え、紙ジャケット仕様でCDがリリースされたがこれも廃盤になっている。 |
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MEET THE SEARCHERS
Pye NPL18086
Aug. 1963
お勧め度 : ☆☆☆
レア度 : ☆☆
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side A
Sweets for my sweet
Alright
Love
portion No.9
Farmer John
Stand by me
Money |
side B Da doo ron ron Ain’t gonna kiss
ya Since you broke my heart Tricky Dicky Where have all the flowers
gone
Twist and shout
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サーチャーズのファースト・アルバムはデビュー・シングルの「スウィーツ・フォー・マイ・スウィート」がまだチャートの上位にいる時期にリリースされた。オリジナル曲は一曲も収録されておらず、「Where
have all the flowers gone〜花はどこへ行ったの」以外はすべてアメリカのR&Bヒットのカバーである。選曲のセンスとアレンジの良さにはこの時から目を見張る物があった。このデビュー・アルバムでは、ほとんどの曲でトニーがリード・ボーカルを担当しているが、このアルバムの聞き物は何と言っても、トニーとマイクのエヴァリー・ブラザーズ風のコーラスである。特に「ラブ・ポーション・ナンバー・ナイン」(アメリカではシングル・カットされ3位にランクされるヒットとなった)での息の合ったコーラスは素晴らしい。またこの曲のギター・ソロはビート音楽史上指折りの名演である事は間違いない。一方で「オールライト」「好き好きキッス〜Ain’t
gonna kiss ya」で聴かれるトニーのパンチの効いたボーカルと、「スタンド・バイ・ミー」で聴かれるクリスの枯れたボーカルの対比も面白い。このアルバムはほとんどのヒット・チャートで2位どまりだったが、いくつかのチャートではビートルズを抜いて1位にランクされた。日本ではジャケットのデザインをやや変えた形で「ザ・サーチャーズ!」(SL−1172−Y)のタイトルでリリースされた。
付記 :CastleがリリースしたCDにDa doo ron ron , Where have
all the flowers goneを除く10曲がステレオで収録された。
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SUGER & SPICE
Pye NPL18089
Nov. 16 1963
お勧め度 : ☆☆
レア度 : ☆☆
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side A Suger and spice Don’t you know Some
other guy One of these days Listen to me Unhappy girls |
side B Ain't that just like me Oh myl
over Saints and searchers Cherry stones All my sorrows Hungry for
love
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シングル「シュガー・アンド・スパイス」がチャートの上位にいる間にリリースされたセカンド・アルバムで、デビュー・アルバムと同じくR&Bやアメリカン・ポップのカバーで構成されている。しかし前作と違うところは、マイクとトニーがリード・ボーカルをとる曲数がほぼ同じになっている事である。これによってアルバムがバラエティに富んだものになっているが、完成度は前作に劣る。このアルバムの次に発売されたシングルと、サード・アルバムにおいては、トニーとマイクの立場が逆転し、ほとんどの曲でマイクがリード・ボーカルを担当するようなる。このアルバムのベスト・トラックはマイクがリード・ボーカルをとった「ドント・ユー・ノウ」だろう。マイクのリードとコーラスの掛け合いも絶妙だが、何と言っても、マイクのリード・ギターの刻む軽快なフレーズが素晴らしい。それと同様に、ラスト・ナンバーの「ハングリー・フォー・ラブ」も、初期のサーチャーズ・サウンドを象徴する傑作である。このアルバムは5位にランクされるヒットとなった。このアルバムも日本では前作同様、日本コロムビアよりジャケットのデザインを少し変えて「ザ・サーチャーズ!大ヒット!!」のタイトルでリリースされていた(SL-1176−Y)。画像は83年に発売されたアナログ盤。
コレクターズ・ノート :
オリジナル・リリースは全曲モノラルで収録されていたが、PRT(日本ではSMS)からのリイシュー盤ではA-6,
B-4を除く10曲がステレオで収録されている。これはその後数種リリースされたCDでも同様である。
付記
:CastleがリリースしたCDで初めて全曲ステレオで収録された。詳細はCDの項を見よ。
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IT’S THE SEARCHSERS
Pye NPL18092 : May 19 1964
お勧め度 : ☆☆☆
レア度 : ☆☆
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side A It's in her kiss Glad all over Sea of
heartbreak Livin' lovin' wreck Where have you been Shimmy
shimmy Needles and pins |
side B This empty place Gonna send you back
to Georgia I count the tears Hi-heel sneakers Can't help forgiving
you Sho' know a lot about love Don't through your love away |
ジャケットにはトニーが写っているが、クリスの証言から判断すると、トニーはこの時期サーチャーズを解雇されていたようである。「恋のチャンピオン〜Sho’
know a lot about love」ではトニーとマイクのデュオが聴けるが、これは過去にレコーディングされていたものを収録したのかもしれない。さて他の13曲ではクリスとマイクの新コンビによる素晴らしいコーラスを聴く事が出来る。オープニング・ナンバーの「イッツ・イン・ハー・キッス」は、日本ではシングル・カットされたほどの傑作である。またこのアルバムではクリスが4曲でソロをとっており、ビート・グループ史上初めての歌うドラマーとなった。彼の声はマイクの声と良く似ているが、少し鼻にかかった低い声が、「ホエア・ハブ・ユー・ビーン」のようなバラードに良く合う。トニーが抜けた事によって、以前のアルバムに比べ落ち着いた感じに仕上がっている。アルバム・チャートで4位にランクされるヒットとなった。日本では同じジャケットデザインを使用した「ラブ・ポーションNo.9」(PS-1188-Y)がリリースされてが収録曲は全く異なった編集盤であった。
コレクターズ・ノート :
オリジナル・リリースは全曲モノラルで収録されていたが、PRT(日本ではSMS)からのリイシュー盤ではA-1,2,
B-2,3を除く10曲がステレオで収録されている。これはその後数種リリースされたCDでも同様である。
コレクターズ・ノート2 : ジャケットに「It's Fab! It'S Gear!」というロゴが追加されているものが存在する。
付記 :CastleがリリースしたCDに全曲ステレオで収録された
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SOUNDS LIKE SEARCHSERS
Pye NPL18111 : Mar. 1965
お勧め度 : ☆☆☆
レア度 : ☆☆
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side A Everybody come and clap your hands If I
could find someone Magic portion I don't wnat to go on without
you Bumble bee Something you got baby |
side B Let the good time roll A tear
fell Till you say you'll be mine You wanna make her happy Everything
you do Goodnight baby
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新メンバーのフランク・アレンが正式にジャケットに登場した4枚目のアルバムは、筆者の評価では彼らの最高傑作である。トニー・ジャクソン脱退後のサーチャーズのスタイルが結実した作品集である。これまでのアルバムと同じく、R&Bなどのカバーがほとんどであるが、クリス・カーティスの曲が3曲(A−2、B−4,5))収録されているが、R&Bの名曲群にまじってなんら違和感がないのには驚く。収録されている。オープニングの「エブリバディ・カム・アンド・クラップ・ユア・ハンズ」は彼らの渋くかつクールなキャラクターがもろにいかされたまさに小粋なR&Bという表現がぴったりの名演。A−4、B−3ではストリングスを導入したいるが、とくにジャッキー・デ・シャノン作の「ティル・ユー・セイ・ユール・ビー・マイン」はアップテンポなポップにストリングスが妙にマッチしている。イギリスではこのアルバムからシングル・カットはなかったが、アメリカでは「バンブル・ビー」、日本では「マジック・ポーション」がシングル・カットされ、ヒットしている。イギリスでは8位にランクされる大ヒットを記録した。
コレクターズ・ノート :
このイギリス盤は全曲モノラルで収録されていたが、アメリカでリリースされたKapp盤アルバム「THE NEW SEARCHERS
LP」ではB-1を除く全曲がステレオで収録されている。これはその後数種リリースされたCDでは、モノラルバージョンのマスターが使われたため、これら11曲のステレオ・バージョンは、いまだにこのアメリカ盤でしか聴けない貴重なバージョンになっている。
付記 :CastleがリリースしたCDに全曲ステレオで収録された。
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TAKE ME FOR WHAT I'M WORTH
Pye NPL18120 : Nov.26 1965
お勧め度 : ☆☆
レア度 : ☆☆ |
side A I'm Ready I'll Be Doggone Does She
Really Care For Me It's Time Too Many Miles You Can't Lie To A
Liar
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side B Don't You Know Why I'm Your Loving
Man Each Time Be My Baby Four Strong Wind Take Me For What I'm
Worth |
サーチャーズのパイにおけるラスト・アルバムは「俺でよけりゃ」のヒットに乗じて製作された。今回は4曲がオリジナル。A-4、B-1がジョン・マクナリー、A-5がメンバーによる合作、B-2がクリス・カーティスとマイク・ペンダーによる作品。なかでもマクナリーによる「ドント・ユー・ノウ・ホワイ」はシングル・カットされてもよさそうなぐらいの秀作、まぁB面クラスだが。残る8曲はいつものようにR&Bのカバー。あいかわらず選曲のセンスが良い。1曲目の「アイム・レディ」は前作の1曲目と同じく同様アップ・テンポのR&B。B-5の「フォー・ストロング・ウィンド」はアコースティックなフォーク・ナンバー。相変わらずコーラスのうまさは秀逸である。このアルバムは初めてステレオとモノラル両方のバージョンでリリースされた。アメリカでも同じ内容でリリースされたが、なぜか写真は白黒になっていた。
付記 :CastleがリリースしたCDに全曲ステレオで収録された
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