アントニオ猪木のブロック・バスター・ホールド

2025.1.4 upload

 

猪木がテーズ戦用の新兵器として開発したブロックバスター・ホールド

 

しかし本番ではいまいちインパクトを残せなかった

 

 

昭和50年「ゴールデン・ファイト・シリーズ」で試運転していた 

 

 アントニオ猪木というレスラーの凄いところのひとつに、常に新兵器を研究していたという点がある。日本プロレスでは卍固めや、カナディアン・バックブリーカーから回転するスピニング・バックブリーカーなどを開発。新日本プロレスを旗揚げ後も、地獄固めや新卍固めを開発、さらにはウラカンラナ・インベルディダにトライするなど、その貪欲さには頭が下がる。

 そんな猪木が昭和50年10月のルー・テーズとのNWF世界ヘビー級タイトル・マッチ向けに開発したのがブロックバスター・ホールドであった。その名の通りブロックバスターで相手を投げ、そのままブリッジして固めてピンフォールを奪うという技である。

 猪木は「ゴールデン・ファイト・シリーズ」で、ザ・プロフェッショナル、マスクド・グラディエーターらを実験台に、この技を試運転。迫力のある新技として注目を浴びた。

 そして、10月9日の蔵前国技館でのルー・テーズとのNWF世界戦本番で、この技を爆発させルー・テーズからピンフォールを奪った。しかし・・・この時のブロックバスター・ホールドはテーズをマットにたたきつけるという感じではなく、ずるっとマットに滑り落ちるような感じになり、正直言って迫力不足であった。この後、猪木はブロックバスター・ホールドを封印した。

 この技を復活させたのは、NWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級チャンピオンとして凱旋帰国した大仁田厚であった。防衛戦で何度かフィニッシュに使いこの技を蘇らせた。

 

 

大仁田のブロックバスター。チャボ・ゲレロ戦ではピン・フォールを奪った