ハーリー・レイスのインディアン・デスロック

2024.12.5 upload
2025.1.2 remix

 
相手の足をロックした後、両手を広げてアピール   そしてそのまま倒れ込む 


 

 「昭和必殺技名鑑」では、倒立式インディアン・デスロックリバース・インディアン・デスロックを紹介してきたが、正調インディアン・デスロックはこちらである。日本ではインディアン・デスロックといえば、リバース・インディアン・デスロックを指すようになってしまっており、フロント・インディアン・デスロックと呼ぶこともあるらしいが、それは野暮というものである。

 この技の起源はアメリカン・インディアン(ネイティブ・アメリカン)が敵の足をクロスさせそこに木を差し込んでぐいぐいと締め上げて拷問したのが起源でインディアン・ギミックのレスラーが木の代わりに自分の足を差し込んで締め上げたというのが定説。日本ではチーフ・ビッグ・ハートが初公開した。

 もう一人、インド人のダラ・シンもこの技を得意とし、インド・レスリングが起源と主張していた。なるほどインディアンはインド式の意味もある・・・。

 起源については諸説あるわけだが、この技でNWA世界ヘビー級タイトルを奪取したのが「美獣』ハーリー・レイスであった。レイスはテリー・ファンクをインディアン・デスロックでギブアップさせ2度目の王座奪取したのである。スローモーなイメージのレイスもこの技を極めるときの動きは素早かった。相手の足を極めると両手を上げてファンにアピールし後ろに倒れ込む。レイスには見栄えのいい得意技としてバーティカル・スープレックス(ブレーン・バスター)やダイビング・ヘッドバットがあったが、あえてこの地味な拷問技で世界タイトルを取ったのだから凄いとしか言いようがない。レイスのこの技への愛着がわかる。

 

     
 インド人のダラ・シンは自分が元祖だとアピール   アメリカンインディアン(ギミック)のビリー・ホワイト・ウルフも披露した    バーン・ガニアも得意とした    シーン・リーガンはフィニッシュ技に多用

 

 AWA世界ヘビー級チャンピオンのバーン・ガニアもこの技を得意とした。昭和45年の初来日では、ストロング小林、サンダー杉山、グレート草津をこの技できりきり舞いさせている。しかしあくまでも痛め技でフィニッシュには使っていなかったようである。

 もう一人、「アイルランドの喧嘩屋」シーン・リーガンもこの技の名人。昭和47年に新日本プロレスに来日した際には、この技で山本小鉄をギブアップさせている。

 日本人ではアントニオ猪木が得意とした。猪木はインディアン・デスロックに捉えた相手に張り手をかましていたが、これはタイガーマスクが受け継いだ。もう一人、日本人の使い手はアニマル浜口。浜口もこの技で動けない相手に張り手をかまして挑発していた。ラッシャー木村と仲間割れした試合でも、そのシーンが見られた。

 

 
 鶴田はブリッジして極めた。足のロックの仕方がよくわかるショット!   この攻防も猪木プロレスの醍醐味!

 

 
脚を固めてビンタを叩き込む!   アニマル浜口も身動きできない相手を挑発