ジョージ・ゴーディエンコのブロック・バスター

2002.3.9 upload
2025.1.4 remix

 

   
ゴーディエンコのブロックバスター。投げる方向に注目    投げられているのはマンモス鈴木!

 

 
投げられた相手はこのように全身をマットに叩き付けられる

 

 まず最初に、ブロックバスターとバックフリップの名称が混同されているケースが多いようなので書いておくが、ブロックバスターは相手をボディスラムで投げるように横抱えにして、後方に投げて相手をマットにたたきつける技。一方、バックフリップは相手を肩に担ぎあげて後方に倒れ込む技である。

 2002年当時、昭和プロレス掲示板でジョージ・ゴーディエンコのブロックバスターとパワースラムとの違いが話題になったが、パワースラムは相手を横かかえにして、相手の頭の方向に身体をひねり、首を巻き込むように叩き付けるが、ゴーディエンコのブロックバスターは、相手の足の方向へ身体をひねって叩き付けていることが写真をご覧いただければわかると思う。逆パワースラムと言ってもいいかもしれない。

 相手は仰向けになってマットに叩きつけられるわけで、後頭部から背中、腰をマットに打ち付けられる非常に危険な技である。ゴーディエンコのブロックバスターも映像が残っていない。

 しかし、ここで注意が必要なのは、ゴーディエンコの投げ方は独特なものだったということである。以下、ゴーディエンコ以外のレスラーが使ったブロックバスターを検証していきたい。

 

   

ロビンソンは抱え方は独特だが相手の足の方向に身体をひねっていたように見える

 

小林は相手を真後ろに放り投げていた

   イワン・ブレストンはパワースラムっぽく投げた

 

 

ウェーバーが使った頭の方向に投げるスタイルは使い手が多い

 

タイガーマスクが幻の技を蘇らせた!

 

   

ライトの身体を横がかえにして…

 

ブリッジを利かせて後方に反りかえる!

  自分の身体は左側に捻り相手をマットに叩きつける!

 

 まず、ビル・ロビンソン。相手の身体の抱えが独特で、足をロックして持ち上げている。この後、頭越しに投げたのか、左右にひねったのかは不明である。

 続いてストロング小林。小林は相手を横抱えにして、そのままブリッジをきかせて真後ろに相手をマットにたたきつけていることがわかる。これがブロックバスターのスタンダートだと言えそうである。

 国際プロレスに来日した大型レスラーのイワン・ブレストンは相手の頭の方向に身体をひねっているので、パワースラムといえなくもない。

 昭和48年3月に新日本プロレスに来日したアーパート・ウェーバーは、やや相手の頭の方向に身体を開きながら後方に投げているのがわかる。

 この技は、その後、アントニオ猪木が後方に投げたままブリッジしてフォールを奪う技=ブロックバスター・ホールドにアレンジして公開したが、その後、長らくファンの目にかかることはなかった。

 しかし、昭和57年4月1日に蔵前国技館で行われたWWFジュニア・ヘビー級タイトルマッチで、タイガーマスクがスチーブ・ライトをマットにたたきつけピンフォールを奪い、久々にこの技をファンに認知させた。