アル・コステロのオースイ・スープレックス

2024.11.15 upload

  

アル・コステロが元祖のオースイ・スープレックス。タイガー・スープレックスとは似て非なる技

 

まず、最初に書いておくが、この技はスープレックスではない。技が決まった時の形がタイガー・スープレックスと同じなので、タイガー・スープレックスの元祖と書いている書籍もあるが、それも間違いだと言っておく。

この技はオーストラリア出身のザ・ファビュラス・カンガルーズのリーダーであるアル・コステロが考案した技である。相手を羽交い絞めにしてそのまま後方に投げる・・・のではなく、尻もちをついて相手と一緒に倒れ込み、そのままブリッジして固めるという技である。つまり投げないのでスープレックスとは言えないのである。

日本人では昭和44年に高千穂明久が戸口正徳にかけたのが最初であると言われている。その後は全日本プロレスに移籍したマイティ井上がインターナショナル・ジュニア・ヘビー級チャンピオンになった、昭和59年にマジック・ドラゴン、ジプシー・ジョーとの防衛戦で続けて使っている。

現在は全日本プロレスでデビューした丸藤正道がしっかり継承している。

ちなみにオースイは「オーストラリア式」を意味するオージー=Ausieをローマ字読みした説、オーズィを誤植した説があるが、真相は不明である。

 

昭和59年にインター・ジュニア・ヘビー級防衛戦でマイティ井上が多用した


   
相手のバックを取って…   相手を引きずり倒し…   ブリッジして固める

 

ミル・マスカラスもオージー・スープレックスを使ったが、同時にジャーマン・スープレックス版のオースイ・スープレックスとでも言える様な技を使っていた。一般にローリング・スープレックスと呼ばれる技を使っていた。上の3枚の連続写真をご覧いただければ、この技のかけ方がお分かりいただけるかと思う。