大木金太郎のX固め

2005.3.20 update

 

 以前より多くのリクエストを頂いていた幻の必殺技X固めが遂に登場。この技は大木金太郎が国際プロレスに参加した昭和55年当時フィニッシュにしていたのであるが、なぜこの必殺技名鑑に長い間登場しなかったか?その理由は二つ。

 まず単純によい画像を入手できなかったこと。次に技のかけ方が複雑だったような記憶があること。つまり、「X固め=首をフックしない卍固め」という、一般的な認識が正解なのかどうか、自信がなかったためである。ところが、昨年末に大木が「X固め」をフィニッシュに使ったジョー・ルダックとのインターナショナル選手権を入手し、「X固め=首をフックしない卍固め」が間違いであることを確認できたたのである。

 X固めはフィニッシュのスタイルこそ似ているものの、卍固めとはまったく異なる技なのである。まずはX固めのかけ方を分析してみよう。

1.まず相手の左腕をとり、自分の右足でフック
2.さらに左腕をフックした右足で相手の左足をフック
3.そして相手の右腕を締め上げる

 ・・・というもの。3でどちらの腕でしめ上げるかを明記しなかったのは写真のようにルダック戦では左腕で締め上げているが、ジプシー・ジョーとのインター選手権では右腕で締め上げているのである。この時のフィニッシュは卍固めというよりむしろメキシカン・ストレッチといった感じである。

 それ以上に重要なのは、相手の左腕をフックしている点が卍固めとの最大の違いなのである。ここがX固めの最大のポイントなのであった。大木とメキシコの接点はほとんどないと思われる。この技を誰が大木に伝授したのであろう?当時の国際プロレスでメキシコと縁が深いといえば・・・マッハ隼人である。国際プロレスにエースとして登場するに当たり、原爆頭突き以外の必殺技を求めていた大木は、マスカラス兄弟やタイガーマスクの登場で、当時ブームになっていたメキシコ殺法に目を付けた大木がマッハ隼人にアドバイスを請うたのではないか?これはあくまでも筆者の仮説である。