モンスター・ロシモフのツームストン・パイルドライバー
2002.10.1updated
この巨体でしかもジャンプしているのだから強烈極まりない!! |
アンドレ・ザ・ジャイアントがモンシター・ロシモフを名乗っていた時代、彼はアンドレ時代からは想像も出来ない技を使っていた。その中でもロシモフ時代を知らないファンが見たら、度肝を抜かれるであろう技がこのツームストン・パイルドライバーである。この技は受身が取れない。ということは、かけるレスラーに100%身う委ねなければならないという技なのである。もし手元が狂えばあのアンドレの体重がもろに脳天から首を襲う危険性があるわけだ。しかもアンドレはジャンプして相手の脳天をマットに打ちつけていた。素人の我々が見ても非常に危険な香りがプンプン漂う殺し技である。 ロシモフはヨーロッパに敵がなくなりカナダに遠征する。ここで当地のトップスターだったターザン・タイラーにこの技をお見舞いしたのだが、手元が狂ったか、タイラーがもがいたか、原因はわからぬがタイラーの頚椎を損傷させてしまう。タイラーは一時首から下全身が麻痺するという重傷を負ってしまう。相手レスラーを怪我させるということは、即、仕事を失う羽目になるのだが、アンドレの場合は逆に知名度をあげ、スターになってしまうのだった。しかし、彼はこの事件を境にこの技を封印してしまう。タイラーへの最低の仁義でもあり、それはモンスター・ロシモフへの決別も意味していた。幸いなことにロシモフのツームストン・パイルドライバーはIWAワールドシリーズを収録した市販のビデオで見ることができる。思わず「危ない!」と声をあげてしまう危険に必殺技だ。機会があればぜひ一度ご覧あれ。 |
ラシクも使っていた。 | 筆者の世代はキッドだ |
対戦相手はロビンソン | 一瞬ボディスラムと思いきや | 頭を膝に挟んで・・・ | ドスン! |
このツームストンは日本ではドイツ式パイルドライバーと呼ばれていたように、カール・ゴッチやバロン・フォン・ラシクが頻繁に使っていた。ゴッチ、ラシク、アンドレが使っていたのは46,7年のことで(ラシクが50年代前半に使っているが・・・)、それ以降はドリル・ア・ホール式が一般化しており、ツームストン式はあまり使われることはなくなった。この技を昭和50年代前半からプロレスを見始めた筆者の世代に紹介したのがダイナマイト・キッドであった。キッドのツームストンは切れ味するどく、かなりの衝撃を受けたものである。しかしながらこの技もシュミット式バックブリーカーと同じく、トップロープからの攻撃への「つなぎ技」い落ちぶれてしまった。豪快なジャンピング・ツームストンの復活を切に願う! |