エドワード・カーペンティアのサマーソルト・キック

2003.11.29update

 

記念すべき来日第1戦のショット!

 

 このHPで、何度も書いているがプロレスは妄想のスポーツである。特に情報の少ない昭和40年代には、少年ファンたちは1枚の写真から妄想を働かせたという。当時の少年ファンたちの関心は必殺技に注がれた。中でも少年ファンたちの心を掴んだのが、エドワード・カーペンティアのサマーソルト・キックであった。

 当時の専門誌に掲載されていたサマーソルト・キックは、コーナーに釘つけになっている相手の前で宙返りしているカーペンティアが映っているもの。多くのファンが「カーペンティアは前方に回転して、相手の胸を蹴る」と思っていたという。実際そのように紹介した漫画もあった。そして昭和45年の夏にエドワード・カーペンティアが来日。少年ファンの目は「サマーソルト・キックの正体」に注がれたのである。

 

   
コーナーの相手の顔面を一撃  

足はロープ最上段に・・・

  そのまま後ろに宙返り
   
凄い跳躍力だが・・・  

見事に着地

  ソバットを一撃!

 

 カーペンティアがみせたサマーそるとキックは少年たちが想像したものとは全く逆のものであった。なんとカーペンティアはコーナーに相手を釘つけにすると、そのまま前方に宙返りして相手を蹴るのではなく、コーナーに駆け上がって後ろに宙返りして、着地してから相手を蹴ったのである。この光景を見て落胆した少年ファンは非常に多かったという。挫折を体験して少年は大人になってゆくのである(大げさな!)。

 カーペンティア来日後、ダグ・ギルバート、エリック・フローリッチがこのワザを公開しているが、やはり彼らも後方に宙返りするのであった。幻の必殺技は単なる「見せワザ」だったのである。

 

   
エリック・フローリッチ  

ダグ・ギルバート

  チャボ・ゲレロ