アーニー・ラッドのネック・ハンギング・ツリー

2001.9.26 update

 

  単純なように見えて意外と難しそうなの技がネック・ハンギング・ツリーだとおもう。この技を完璧に使いこなすレスラーは非常に少ない。多くの場合、腕が伸びきらずに、完全に吊上げられないという光景を良く見かけた。

しかしアーニー・ラッドは高い確立でこの技を完璧に決めていた。左の写真は第1回NWAタッグ・リーグ戦に来日したときの写真である。ご存知のようにこのシリーズでラッドは本領を発揮できなかった(手を抜いた?)らしいが、このネック・ハンギングツリーは完璧に決めている。49年に新日本プロに来日した際も、猪木を軽々と持ち上げている。

やはり黒人ながら時期世界王者候補といわれていた逸材だけのことはある。基礎体力、素質はすばらしいが、やはりむらっけのある性格が彼のプロレス人生を大きく左右してしまったのだろう。1流半ぐらいが彼の順当な評価のように思われるが、この技の使い手としては超一流であった。

 

   
         
MSGでのビル・ミラー   坂口は腕が伸びきらぬことが多い   ボルコフの豪快な片腕式

 

さて、その他の使い手としてすぐに浮かぶのがビル・ミラーである。MSGでサンマルチノの巨体と吊上げたことでも有名。残念ながら写真は残っていないが、あのギロチン・ゴードンがゴリラ・モンスーンを完璧に吊上げたという逸話が残っている。のちにジ・エンフォーサとして来日したあの男がである。まぁ、当時の海外情報は眉唾物が多いが・・・。

日本人での使い手はなんといっても坂口征二。しかし彼の場合手が伸びきらずに曲がったままということが非常に多かった。そしてなんといっても忘れられないのが、ニコリ・ボルコフのワンハンドのネック・ハンギングしかも巨体のジャンボ鶴田を片腕で吊上げたものだから、テレビをみていた筆者は驚いたの何の。しかしボルコフは怪力だけが取り柄のでくの坊であった。