ラッシャー木村の回転足四の字固め

2000.9.1 upload
2024.11.5 remix

 

 
実戦で使用した珍しい写真(技に入る途中・・・)   公開練習での写真。実験台はマイティ井上!


     
自分の右足で相手の右足をフック   そのまま前方に回転し相手を倒す    相手の右足をぐいぐい・・・テコの原理で攻める!


 

 アップが遅れましたが、せんだって昭和プロレス掲示板にて話題になったラッシャー木村の幻の必殺技「回転足四の字」の登場です。

 昭和45年当時の木村は「若鷲」と呼ばれ、ヨーロッパ遠征に旅立つストロング小林の穴を埋めるために1年に渡るアメリカ遠征から凱旋帰国、その手土産として公開したのが、この秘密兵器と言う訳です。しかし、公開練習までしていながらこの技をラッシャーはほとんど使わずに封印してしまったと言う幻の技。

 写真をご覧になればわかると思うんですが、秘密兵器と言うにはあまりに地味過ぎる!しかも回転足四の字といいながら、回転するのは技に入る時だけと言うのは、いかがなものかという・・・。その上四の字になるのは自分の足というのもなかなか味わい深い! 連続写真のサンダー杉山の顔も笑ってるように見えるんですが?ちなみに実験台はマイティー井上です。

 結局ラッシャーを売り出すために編み出したこの技は評判を呼ばず、その代わりに国際プロのフロントが考えたのがドクター・デスとの因縁 → 金網デスマッチと言う訳である。これを機会にラッシャー木村のニックネームは「若鷲」から「金網の鬼」へと変わっていったのである。もしこの技で人気が爆発していれば、金網デスマッチは国際プロの名物にならなかった・・・と言うのはいささかこじ付けがきつすぎるだろうか?

 

寺西の改良型回転足4の字固め

 

 さて、この技は木村一代のものと思われていたが、なんと昭和52年に行われたデビル紫を挑戦者に迎えてのIWA世界ミッドヘビー級選手権で寺西勇が公開していた。しかしよーくみると、これは相手の足がインディアン・デスロック状態になっている。そして木村バージョンのように相手の足をつかんでぐいぐいやるのではなく、自分の足でフックしている。これでは動きが少なく、観客へのアピール度は低いようにおもう。寺西は国際プロレス崩壊後、新日本プロレスでタイガーマスクと対戦した時にも、この技を披露した。


2024.11.7追記@

Xにてチャベスのボディブロー様より「サンボのカーフスライサーではないですか?」との情報をいただきました。調べてみたところ極まった状態は全く同じでした。ブラジリアン柔術でも使われているようです。
木村は技に入るときに回転を加えてプロレス向けにアレンジしたようです。国際プロレスはビクトル古賀氏にサンボの指導を受けており、その際に伝授された可能性が高い。

Wikipediaの「カーフスライサー」解説ページ

ブラジリアン柔術の「カーフスライサー」解説動画

参考:昭和プロレスファイル39「発掘!ラッシャー木村のサンボ特訓」
http://www.showapuroresu.com/file/file39.htm


2024.11.7追記A

同じくXにて001u1様より「蝶野のV字足首固めと同じ」という情報を頂きました。2009年ごろに藤波とのIWGP戦のほか数試合で披露したとのこと。