吉村道明の回転エビ固め
2024.11.11 upload
名バイプレーヤー吉村道明の代名詞「回転エビ固め」 |
日本でのプロレスのタッグ史上、いや日本のプロレス史上、最も語り継がれるべきバイプレーヤーは「火の玉小僧」吉村道明であろう。主役を引き立てるためにやられ役を買ってでて血だるまになりながら闘い、ここ一番で主役にツイッチする。そのやられっぷりがあまりにも見事だった為、一人娘が学校で「お前のお父ちゃんは弱すぎる」とイジメられることもあったという。 そんな吉村道明の伝家の宝刀が回転エビ固(ローリング・クラッチ・ホールド)めであった。昭和57年に発売されたゴング10月号増刊「The必殺技」の解説によれば、カール・クライザーが原爆固めを本邦初公開した昭和36年5月1日、東京体育館での「第3回ワールド大リーグ戦」の開幕戦の1本目に吉村道明がクライザーをフォールしたのが回転エビ固めであった。実は吉村が回転エビ固めを披露したのもこの日が初めてだったという。吉原はリーグ戦前のハワイ遠征でこの技を習得したという。 それでは正面と横からの連続写真をご覧いただこう。 |
相手をロープに振って |
戻ってきたところを頭上を飛び越え |
胴体に抱きついて前方に回転 |
両足で相手の両腕を押さえフォールに持ち込む |
横からの連続写真 | 腰に抱きついて回転 | |
倒れながら足を広げ相手の胴体を挟み |
相手をエビに丸め込む |
吉村は確実に自分の足で相手の胴体を挟むように回転し、エビに決めた時には確実にフォールを奪うべく、相手の両腕をしっかり押さえ込んでいる。 この技にはアレンジも多く、吉村もよく使ったのは、場外からエプロンに上がった際に、相手がタックルにくるのをトップロープを飛び越えて丸め込むパターン。セカンドロープやトップロープに上がったところに突進してきた相手の頭上を飛び越えて決めるパターンなどである。こちらのパターンはミル・マスカラスの連続写真を紹介しておく。 回転エビ固めは非常にシンプルで分かりやすいために使用者は多い。ただどんな技でも器用にこなす猪木は、相手の胴体に抱きつくのと同時に両足で相手の両腕をフックする独特のスタイルだったので決まり方がぎこちなく、この技に関しては上手く感じられなかった。 |
セカンドロープから相手の頭上を飛び越え | 相手の胴体に抱き着き | 押さえ込む…リングサイドの藤波の表情に注目! |