豊登の逆片エビ固め
2002.10.15 upload
2002.10.24 update
2024.11.14 remix
足をがっちり固めている点に注目 | これは新日本時代の逆エビ固め。足をねじり上げている |
リッキー・ワルドーの膝を抜いた力道山の逆片エビ固め | S43年の大阪球場でのキニスキー戦で1本目に決めた逆エビ固め |
坂口も相手の足をガッチりとロックしている | 雨のエル・トレオでのロビンソン戦でカネックが見せた逆片エビ固め。これはきつい! |
以前紹介した逆エビ固めは昭和プロレス掲示板でもご好評いただいた。で、今回、姉妹技(?)と思われがちな逆片エビ固めをレビューするにおよび、誰を主役にしようか頭をひねったが、やはり豊登しか適任のレスラーは思い浮かばなかった。やはり豊登の金太郎のような逞しい体からにじみ出るパワーを超える逆片エビ固めというのは他にない。
さて、なぜこの技を逆エビ固めと分けて紹介したかと言うと、当研究室ではこの両者は似ていながら全く別の技、という認識をしているからである。逆エビ固めが相手の背骨を痛めつけるのに対し、逆片エビ固めの英名はジャパーニーズ・レッグ・ブリーカー・ホールドということからもわかるように、相手の脚を責める技だからである。写真を見てもらってもわかるが、相手の身体を反り返らせることには無頓着で、馬場、坂口に至ってはほとんど棒立ちの状態だ。 筆者が鮮明に覚えているのは1981年5月31日に大雨のエル・トレオで行われたカネックとビル・ロビンソンのUWA世界選手権のフィニッシュとなった逆片エビ固めである。ロビンソンは5分にわたり逆片エビ固めに耐えたが、レフェリーは試合続行不可能と判断し、レフェリーストップを宣言したのである。この試合はカネックのベストバウトだと高く評価されている。カール・ゴッチの弟子であるカネックがロビンソンとどのような攻防を繰り広げたのか、非常に興味深い。 これも絶滅危惧種になってしまった技のひとつだが、相手の膝を徹底的に痛めつけておいて宙吊りに近い状態で相手にこの技を極めればなかなか絵になるし、説得力もあると思うのだが? |