坂口征二のジャンピング・ニーアタック

2002.4.14 update

 

 
     
ロッキー・ジョンソンに強烈な一発   これは珍しいアングル、ど迫力だ(撮影HARU一番氏)

 

 坂口征二といえばハイアングル・アトミックドロップやネック・ハンギング・ツリーのような力技を得意としていたが、唯一使っていたとび技がこのジャンピング・ニーパットであった。坂口のニーパットは華麗さか全くないが、その重量感と破壊力はすさまじいものがあった。特に53年に行われた坂口、小林組VS藤波、木戸組のタッグマッチの3本目で炸裂したジャンピング・ニーパットはすごかった。坂口のひざが木戸の顎にモロにヒットし、仕掛けた坂口も勢い余ってしりもちをつくという強烈なものであった。木戸はこれで戦意喪失していたが引きづり起こされパイルドライバーで完全にKOされてしまった。もう一発強烈に印象に残っているのがマスクド・スーパースターを迎えての北米選手権で繰り出した一発。カウントぎりぎりで場外からエプロンにあがってきたマスクド・スーパースターを場外に吹っ飛ばそうと坂口は全力で走りこんで、ニーパットを炸裂させたわけだが、勢い余って坂口もトップロープを飛び越えて場外転落。坂口は相手に怪我をさせてはと、限った相手にしか全力を出さなかったというが、このジャンピング・ニーパットだけは常に全力で突っ込んでいたように思える。

 

 

 
         
日本プロレスでの一こま  

鶴田も得意としていた

  外人ではボブ・ループが多用。

 

 この技を日本で初公開したのは青銅の爪 キラー・カール・クラップであったという説があるが、44年にドリー・ファンク・ジュニアがジャンピング・ニーアタックといえなくもない技を披露している。クラップのジャンピング・ニーアタックはビデオで確認した限りでは、いささか迫力不足であった。日本人で坂口とならぶ使い手がジャンボ鶴田であった。鶴田のニーパットは非常に打点が高く、飛び上がったときのフォームも非常にスマートだった。鶴田の場合もフィニッシュとしてではなく、攻守交替やフィニッシュへのつなぎの一発として使っていた。もう一人、この技の使い手として忘れてはならないのが、ガチンコ野郎のボブ・ループである。ショルダーバスターとならんで、彼が使った数少ないプロレス技であった。