サーダラ・シンのジャックナイフ・ホールド

2024.12.12 upload

 

昭和42年の2度目の来日の際にサーダラ・シンが披露したジャックナイフ・ホールド

 

 エビ固めには様々なバリエーションがある。その中でも割と新しい技のイメージがあるのが「ジャックナイフ・ホールド」である。しかし今回調べてみたところ、昭和42年に来日したインドのテクニシャン、サーダラ・シンが使っていたことが判明した。

 相手の両足を両肩に担ぐようにエビ固めに決め、そのまま前方にブリッジして固めるという技である。当時としては高度な技だったと言えるだろう。当時の「プロレス&ボクシング」のキャプションでは「モンキーフリップ」を紹介されているが・・・!

 

       
相手の両足を持ち上げ   大きくジャンプして    そのまま前転    両足をつかんだままエビに固める

 

第11回ワールド大リーグ戦では猪木もこの技を使った

 

 ジャックナイフ・ホールドはサーダラ・シンが披露したかけ方がスタンダードだが、昭和44年の「第11回ワールド大リーグ戦」に初来日したペッパー・ゴメスは違うかけ方をしていた。ゴメスは相手の足首をつかんで固めている。当時の「ゴング」には、「メキシカン・ローリングクラッチ」という名前で紹介されている。

 ゴメスのジャックナイフ・ホールドを見て盗んだのか、猪木も大阪府立体育会館でのゴリラ・モンスーンとの公式戦で使っている。回転がうまくいかず崩れかかってしまったが、ブリッジを決めてモンスーンをフォールして金星をあげ、優勝へと突っ走ったのである。

 さて、この技がいつから「ジャックナイフ・ホールド」と日本でも呼ばれるようになったのか・・・これは今度の研究課題とさせていただく。