ハーリー・レイスのダイビング・ヘッドバット
2002.1.13 update
2024.12.8remix
この技の考案者と言われるハーリー・レイスの豪快なダイビング・ヘッドバット! |
昭和57年に馬場からPWF王座を奪った際のダイビング・ヘッドバット。エプロンのロッキー羽田の表情に注目! |
ジミー・スヌーカのスーパーフライ。表情に注目! |
ダイナマイト・キッド伝説のダイビング・ヘッドバット |
タイガーマスクの跳躍力は驚異的だった |
ダイビング・ヘッドバッドといえば仰向けにダウンした相手に倒れこんで頭突きを喰らわせる技であるが、これを最初にトップロープから繰り出したレスラーはハーリー・レイスだと言われている。。 この技の昭和時代の使い手の「四天王」としてはハーリー・レイス、ジミー・スヌーカ、ダイナマイト・キッド、タイガーマスクを推したい。上の画像をご覧になればわかるように、四者四様になんとも味がある。 まずは昭和56年当時リッキー・スティムボートとの抗争を日本に持ち込んで人気爆発したスーパーフライ・ジミー・スヌーカから見てみよう。このとき彼は3度目の来日であったが、初来日ではインディアン、2度目の来日では原住民スタイルであったが、このスーパーフライ・スタイルでは初来日であった。彼とリッキーとの抗争の見せ場はなんと言っても空中殺法合戦にあった。スヌーカの空中殺法はキザでどことなくいやみな雰囲気をかもし出していたが、それがヒールの彼をきひ立たせていたのも事実。画期的な飛べるヒールの誕生であった。特にフィニッシュに多用していたトップロープからのDHは顔の表情といい、指先の演技といい、いま見ても震えるほどの色気をかんじる。 一方、ダイナマイト・キッドのDHはトップロープからヘッドバッドを落とすというより、トップロープからロケットのように跳躍して相手に劇取るするというスタイルをとっていた。これは後に彼のライバルとなる初代タイガーマスクもフィニッシュに多用したスタイルである。フォームも腕を腿のあたりにつけ、まさに頭から突っ込んでいくというダイナミックなものであった。日本で見せたDHでは昭和55年の正月にWWWFジュニア・ヘビー級タイトルへの挑戦に待ったをかけてきたスキップ・ヤングとの挑戦者決定戦で見せたDHが強烈だった。頭の固いヤングにこの技を繰り出し自らの額から流血していた姿が今も印象に残る。キッドはカルガリーに遠征してきたレイスのDHを見て、この技を盗んだと言われている。 |
ハーリー・レイスのセカンド・ロープからのダイビング・ヘッドバット |
タイガーマスクのダイビング・ヘッドバット。腕を前から後ろに振り勢いをつけてジャンプするあたり運動力学的にも説得力あり! |
マイク・ジョージもトップロープからのDHをみせた | 大熊のヘッドバット。こんなに高く飛んでたっけ? |
上の写真をご覧になってもわかると思うが、昭和57年に馬場からPWFタイトルを奪取した試合でのトップ・ロープからのDHは急角度でまさに強烈。レイスの体が弓なりになっていることからもわかるが、エプロンで見ているロッキー羽田の「痛そー!」といわんばかりの表情からもこのときのヘッドバットがいかに衝撃的なものだったかをお分かりいただけると思う。当時中学生だった筆者は「馬場、死んだんとちゃうか!」とテレビの前で本気で心配してしまったのであった。キッドや、スヌーカのDHは華麗であったが、レイスのDHはいかにも殺し技と呼ぶにふさわしい、「非合法な」匂いがしたものである。あれ以来これほどまでに強烈な印象と戦慄を覚えさせるDHを見た記憶がない。 他にはマイク・ジョージもトップロープからのダイビング・ヘッドバットを得意にした。この技でマイティ井上らからフォールを奪っている。ジョージはレイスと同じくカンサスを主戦場にしており、キッドがそうしたようにレイスのDHを見てこの技を盗んだのかもしれない。 最後にトップロープからではないダイビング・ヘッドバッドの使い手として忘れられないのが大熊元司。彼の場合はロープに飛んで反動をつけて走りこみ、飛びあがって頭突きをぶちかましていた。ランニング・ヘッドバッドと呼ばれていたような気もする。あまりにも地味すぎてこの技の復活はありそうにないなぁ・・・。 |