レオ・ノメリーニのクルスフィックス
2024.12.7 upload
アメフトで鍛えた屈強な足の力で両腕と首を締め上げる |
かけられた方は立ち上がるようにしてエビ固めに持っていくという攻防がこの技の見どころ | ノメリーニの場合は、相手の腕をつかんで締め上げていたようである |
プロレスの必殺技の中では「古典」ともいえる複合技。柔術でも使われている。相手をうつぶせにし、両足で相手の両腕をはさみ、同時に首も極めるという技。足を使った寝技版フルネルソンと言っていい。相手の身体が十字架(クルスフィックス)のようになることから、クルスフィックスと名付けられた。 この技を得意にしたのがアメリカンフットボールからプロレスに転向した「タックル王」レオ・ノメリーニであった。ノメリーニといえば、タックル一本やりと思われがちだが、タックルと並ぶ必殺技がこのクルスフィックスであった。力道山以下のレスラーやプロレス記者も、ノメリーニがこの技を使いこなしたことに驚いたという。 |
日本人ではストロング小林が得意とした | アマレス出身のがニアも得意。相手の顔面をマットに押し付ける |
この技はノメリーニだけでなく、多くのレスラーが痛め技として使っていた。日本人レスラーではパワーファイターのストロング小林が得意としバーン・ガニアとのAWA世界ヘビー級戦、ラッシャー木村とのIWA世界ヘビー級戦等の大一番でも見せていた。小林の場合は相手を仰向けにして締め上げることもあり、相手のスタミナを奪い目的で効果的に使っていた。 アマレス出身のバーン・ガニアもこの技を得意とした。昭和45年の初来日時にはストロング小林ら日本勢をこの技で苦しめている。筆者の世代にはクルスフィックスの使い手と言えばストロング小林とバーン・ガニアのイメージが強い。 平成に入ってからは長州力がUWFインターとの対抗戦でクルスフィックスを繰り出し、この技を蘇らせた(企画番組でもマサイ族を押さえ込んでいたw)。いまでもこの技で安生や中野を動けなくした長州に対し「やはりガチンコがつよい」というプロレス・ファンは後を絶たない。 |