ボブ・ブラウンの変形シュミット流バック・ブリーカ

　シュミット流バックブリーカーは非常にポピュラーな技のひとつである。多くのレスラーが使いこなしていたが、この技をアレンジしたレスラーもいた。代表的なのはジャイアント馬場のジャイアント・バックブリーカーである。もうひとりこの技をアレンジして使ったレスラーがいた。それが中西部地区では絶対的な人気を誇っていたブルドッグ・ボブ・ブラウンである。

　シュミット流バックブリーカーは本来、相手を横抱えにして、自分はマットに立てひざを突き、そこに相手の背骨を叩きつける技である。しかしブラウンは膝をつかず、立ったまま横抱えにした相手を下に落とすと同時に、自分の膝を上に上げてぶつけると言う攻撃方法をとったのだ。坂口が良く使っていたニーリフトのバックブリーカー版といってよかろう。膝をつかないことによってどのような効果があるかは知らないが、この技を使いこなすには、強靭な下半身とバランス感覚が必要であることは間違いない。やはり使うのが難しかったのか？見栄えが良くなかったのか？この技を受け継ぐレスラーはとうとう現れなかった。