アニマル浜口のエアープレン・スピン

2004.9.2 update

 

自分より一回り大きいサモアン2号をブン回す!

  

 アテネオリンピックでの日本選手の活躍は、目覚しいものがあった。そんな中で、昭和プロレスファンの注目を集めたのは、なんと言ってもアニマル浜口の愛娘である浜口京子ではなかったか?残念ながら金には届かなかったが、見事に銅メダルを獲得した。この準決勝では、点数表示のミスなどの不手際があった。これに怒りをあらわにしたのが父親のアニマルであった。係員に制止を振り切って客席のフェンスから身を乗り出して抗議するアニマル浜口の姿を見て、思わず快哉の声を上げたファンは少なくないだろう。

 そんなアニマル浜口の現役時代のファイト振りを知らないファンも、今となっては多いのではないだろうか?アニマル浜口という選手は、京子選手と並んでいる映像を見ても分かるように、かなりの小型選手であった。その浜口の得意技が、相手を担いで振り回すエアープレン・スピンという豪快なワザであった。トップ写真を見ても分かるように、小さなアニマル浜口が、自分よりもひとまわりも、ふたまわりも大きな外人選手を振り回す・・・これぞ無差別級昭和プロレスの醍醐味であった。階級制が確立されてしまった現在のプロレス界は、ジュニアのレスラーは、ジュニア流のファイトという既成概念が出来上がってしまった。アニマルのようにジュニアの体格でもヘビー級のレスラーをぶんぶん振り回す・・・こういった強い個性の消滅がプロレスから面白みを奪ったといっても良いだろう。

 アニマル浜口も、ただ相手を振り回すだけではなく、昭和54年あたりからはエアープレン・スピンからバック・フリップ(サモアン・スープレックス)に移行するという複合技を使うなど、研究熱心なところを見せた。マイティ井上との「浪速ブラザーズ」なつかしい思い出である。

 

 
デヌーチも忘れてはいけない   浜口はポーツに影響を受けたか?

 

 実は今回、エアプレン・スピンを紹介しようと思ったのは、アテネ・オリンピックで、アニマル浜口の姿を見たからではなく、もう一人の使い手ドン・デヌーチのカラーショットを発見した為である。このレスラーははっきり行ってこの技のみの一発屋。そのデヌーチのベストショットを紹介したったからなのであるが、やはりアニマル浜口の豪快なぶん回しが鮮明に蘇り、アニマルを前面に出したというわけである。デヌーチ・ファンの皆さんには、こころからお詫びしたいと思う。

 もう一人忘れてはならないのはイギリスのジェフ・ポーツ。ポーツもエアープレン・スピンをフィニッシュにしていた。ポーツは国際プロレスに来日経験があるが、その時にポーツのエアープレン・スピンをみて、若き浜口はこの技を盗んだという可能性もある。