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   THE WHO MY GENERATION(DE-LUX EDITION)   
 
 
THE WHO
MY GENERATION
(DE-LUX EDITION) 

ビクターエンターテイメント
UICY-7120/1


お勧め度 ☆☆
disc1
Out in the street
I don't mind
Goods gone
La-la-la lies
Much too much
My generation
The kids are alright
Please,please,please
It's not ture
I'm a man
A legal matter
The ox, Circles

<bonus track>
I can't explain
Baldheaded woman
Daddy rolling stone

disc2
Leaving here
Lubie
Shout and shimmy
Heatwave
Motoring
Anytime you want me
Anyhow anywhere anyway
Instant party mixture
I don't mind
The good's gone
My generation
Anytime you want me
A legal matter
My generation

ついに出たー!という感じですね。昨年末にシェル・タルミーが自身のHPで「マイ・ジェネレーションのステレオ・ミックスを製作中、来年発売」なんて発表していたが、いままで何度も裏切られたたこともあり「どうせぽしゃるだろう」という思いが先にたち、そのうちに忘れていた。しかし信じることは大切である。先日、マインドベンダーズの2in1を求めて神戸のレコード屋に顔を出した。お目当てのマインドベンダーズのCDはなかったが、壁を見ると「マイ・ジェネレーション」のジャケットが目に飛び込んできた。「また新しいブートか・・・」と一瞬思ったが、なんと帯がついているではないか!「え、まさか!」と思ったら、それは完全に忘れかけていた「マイ・ジェネレーション」のステレオ・リミックス。しかも日本盤であった。最近、リリース情報に疎くなっており、まさか「マイ・ジェネレーション」がリリースされるなんて、全然知らなかったのである。思わず「えー、うそー!」と10年前の女子大生みたいなせりふをはいてしまった。しかし「マイ・ジェネレーション」のオフィシャル・リリースは大事件なのに、回りのほとんど誰もが知らなかったというのは、寂しいねぇ。

 CDやレコードを買ってどきどきしたのは全く久しぶりである。わたしは家に帰り、早速5.1chホームシアター・システムの前に座り、早速CDプレーヤーのスウィッチを押した。しかし何かおかしい。「モノラルじゃねぇか?」とおもって、スピーカーに近づくと右のスピーカーから音が出ていない。「こんな時にブッつぶれたか!」と一瞬あせったが、冷静さを取り戻し配線しなおすと、ようやく正常に音が流れた。仕切りなおしてCDを聴く。凄い迫力だ。いままでアメリカのMCAがCDを出していたが、全然迫力が違う。これは凄い!しかし・・・。ものすごいノイズ。ライナーを読むとこのアルバムのマスターテープを聞いたアメリカデッカのエンジニアが「不良品のテープをよこしやがって!」と怒ったらしいから、このノイズは狙ってのものだろう。このノイズがとても生々しいのだ。

 さて、細かいことを言うとこのCDの元になったのは3トラックのステレオマスターらしい。元々モノラル盤を作ることしか頭になかったため、ステレオで聞くというミックスはなされていない。よって目玉が飛び出るようなステレオ感のあるリミックスにはなっていない。ビートルズの「ロックン・ロール・ミュージック」のように元々ボーカルと演奏が完全に左右に振り分けられているミックスのボーカルを中央に持ってきたという感じのリミックスになっている。ほとんどの曲が演奏は左チャンネルに偏っている。目玉の飛び出るようなステレオミックスを期待していた人にはやや肩透かしの観があろう。全体的にパワーアップしていることは改めていっておきます。
 そしてもうひとつ残念なのはこの3トラックテープはオリジナル・アルバムに使われたマスターテープの前段階のものらしいということだ。よって「マイ・ジェネレーション」にギターがオーバーダブされておらず、間奏のギターソロが入っていない!これは「リーガル・マター」も同じ。これをフォローするためかディスク2にはそれぞれのギター入りのモノラルバージョンが収録されている。

 ディスク2はレア・トラック。なかでも注目は「エニハウ・エニホエア・エニウェア」のオルタネイト・バージョン。なぜかフランスだけで発売されたボーカル・トラックが違うテイクである。これはかなりのマニアしか聞いたことがないと思います。ほかに「インスタント・パーティー」も初リリース。ディオンとベルモンツのパロディで、版権の問題で永らく日の目を見なかった曲だ。ほかには「アイドント・マインド」「グッズ・ゴーン」のロング・バージョン、「マイ・ジェネレーション」のインストバージョン、「エニタイム・ユー・ウォント・ミー」のアカペラバージョンなどのレアトラックが収録されている。

 欲を言うならモノミックスも入れてほしかったが、もしかしたらアルバムに使われたマスターテープが紛失しているのかもしれない。(ディスク2に収録されている「マイ・ジェネレーション」のモノバージョンの音が余りよくない)今後の発掘に期待しよう。とにかく、このCDは「出たことに意義がある」。多分「売り切れたら終わり」ということになると思うので、速めにゲットされることをお勧めする。

 ということで購入当日に興奮してかいてしまったが、その音質価格などをかんがみると星みっつから星ふたつに格下げです。よーく聞き込むと、タルミーのミックスはどうも納得いかない。これなら素直にモノラルミックスで出して欲しかった。