|
THE SIR DOUGLAS QUINTET
THE BEST OF...
Sundazed/BeatRocket
BRCD123
お勧め度 ☆☆ |
She's about a mover Beginning of the end The
tracker You're out walking the streets tonight It was in the pines In
the jailhouse now Quarter to three The rains came Please just say
so We'll take our last walk tonight Walking the streets Bacon
fat
Blue Norther |
えー、発売されてからかなり時間が経っておりますが、今回はサー・ダグラス・クインテットのベスト盤です。このCDは元々'66年に彼らの所属していたTRIBEなるレーベルからリリースされていたベスト盤に2曲追加(最後の2曲)したもので、すべて'64〜'66年に録音されたものである。このグループは日本ではほとんど馴染みがない、マニアックなC級バンドといっていいだろう。出身はテキサス。したがって5人組の彼らのうち3人がメキシコ系である。彼らの曲を聞くと、サー・ダグラスのソウルフルなヴォーカルと電子オルガンが印象的で、どこかイギリスのR&Bバンドを思わせる。その異端性はリヴァプールのイアンとゾディアックスのようだ。
そんな彼らのデビュー曲であり、唯一のビッグ・ヒットが「シーズ・アバウト・ア・ムーヴァー」である。この曲は以前から知っていたのだが、それは彼らのバージョンではなく、ハニーカムズの日本公演のライブ盤に収録されているものを聞いた。しかし、ハニーカムズのバージョンは完全に筆者の記憶から消え去っている。しかし、この本家サー・ダグラス・クインテット・ヴァージョン(リーダーのサー・ダグラスことダグ・シャームの作品)は、一度聞いたら忘れられないインパクトがある。これでもかとリフを繰り返すエレクトリック・オルガン。本当に骨太と言うか、さすがテキサン!という感じである。ほかの収録曲も無頼な男っぽい仕上がりになっていて、同じR&Bバンドとは言え、キングスメンなどの北西部サウンドとも一線を画している。アメリカ人にしては、陰うつな印象が否めない。
このCDを買ったのが昨年。今年に入ってビデオ化されていた60年代当時のアメリカの人気番組
HULLABALOO
のDVDがアメリカでリリース(日本ではビデオのみの発売)され、あまりにも安価なので買ってみたら、いきなり彼らが登場したので驚いた。彼らの風貌と来たら、ビートルズ・カットどころか、もうヘルメットを被ったような強烈なキャラクター。当時の保守的なテキサスじゃ、白眼視されたと思うよ。特にオルガンのオウギー・メイヤーズと言う人はオルガンひきながら頭を振りまくるので、それは凄い迫力と言うか滑稽と言うか・・・。ちなみに彼らもキングスメンやレイダースのように、曲に合わせて軽い振り付けでステップを踏んでおりました。イメージと違うなぁ・・・。まぁ、買って損のない一枚だと思います。 |