1993年の新譜のレビューです(笑)。ナッシュヴィル・ティーンズといえば、「タバコ・ロード」「ゴッグル・アイ」などで知られ、映画「ポップ・ギアー」でもこの2曲を演奏していることで知られる。まぁ、はっきり言えば「タバコ・ロード」だけの一発屋だともいえる。
永らく彼らのCDはリリースされていなかったわけだが、1993年にようやく出たのがこのCDであった。ナッシュヴィル・ティーンズはDECCA所属のグループだっただけに、EMIからこのCDが出た時には首をひねったものだ。恐らく版権がややこしいことになっているのだろう。さて内容はタイトルどおり彼らのベスト盤だ。
しかし待望のCD、しかもデジタルリマスターが行なわれているにもかかわらず、お勧め度は星ひとつだ。なぜかといえば目玉の「タバコ・ロード」のバージョンがネックになっているのである。この曲には2つのバージョンがあり、映画で使われていたバージョン(おそらくシングル・ヴァージョン)と、(おそらく)アルバム・ヴァージョンである。どちらがいいのかといえば、圧倒的にシングル・バージョンなのだ。気合の入り方が違うというか。(おそらく)アルバム・バージョンはどこか間延びしていて、「タバコ・ロード」の持ち味である緊張感のようなものがないのである。で、このベストCDに収録されているのは残念ながら(おそらく)アルバム・ヴァージョンなのである。勝った当時は2種類のバージョンがあるとはまったく知らなかったので、聞いてみて愕然とした。
2000年にドイツのレパートワーがデジパック仕様で、アルバムにボーナストラックを追加したものをリリースしているが、これに収録されているヴァージョンはシングル・ヴァージョンか否かは確認していない。通常レパートワーはこういった場合、両方のテイクを収録することが多いのだが・・・。馬券を買うつもりで買ってみてください。
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