「アット・アビー・ロード」シリーズのリリースで株を上げた感のある東芝だが、やはり悪い癖が出たと言うか、このシリーズに便乗した粗悪盤を出してしまった。「ベスト・オヴ・ハーマンズ・ハーミッツ」がそれである。
皆さんは6年ほど前に東芝が、ビート・グループの日本盤アルバムをジャケットもそのままでCD化すると言う、マニア向けのシリーズを出したのを覚えておられるだろうか?企画的には素晴らしいシリーズだったが、一部のアーティストの音源は東芝が所有していた古いマスターを使った音質の悪いものだったし、値段も3000円と言う事で評判は良くなかった。
と、言うわけで今回リリースされたハーマンズのベストも日本盤オリジナル・アルバムのジャケットを使い、「日本盤のシングルやコンパクト盤のジャケットをカラーで収録」と言うマニア泣かせの歌い文句で宣伝されていた。しかも件の「アット・アビー・ロード」シリーズと同日発売と言う事で「音源もイギリスから取り寄せたのでは?」と思い、私は愚かにも飛びついてしまったのであった。しかし家で聴いてみてがっかりした。やはり音が悪いのだ。特に世界初CD化の「バス・ストップ」の音の悪さには閉口した。これじゃ、ピーター・ヌーンも泣いてますよ。読者諸君に告ぐ。ハーマンズ・ハーミッツのCDは日本盤でなく音質の良い輸入盤を買いましょう。
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