IWA世界タッグ選手権 その1 (44〜45年)
タイトルのあらまし 43年10月に国際プロの吉原代表がフランスのロジャー・デラポルトに働きかけて設立したIWAが認定する世界タッグ選手権で、王座決定トーナメントは44年5月8日から18日までヨーロッパ各地を転戦して行なわれた。参加チームは豊登り&ストロング小林、イアン・キャンベル&ブルーノ・アーリントン、アル・ヘイズ&レイ・ハンター、イワン・ストロゴフ&ロジャー・デラポルト、アンドレ・ボレー&フランク・バロワ、エルマンソー兄弟、ドクター・デス&チャーリー・フィッシャー、ジョン・リーズ&ジェフ・ポーツノ8チーム。決勝はパリのエリーゼ・モンマルトルで行われた。トーナメントで優勝した豊登&小林はそのまま日本に持ち帰り、その崩壊まで国際プロレスの看板タイトルとなった。 |
歴代王者 1.豊登&ストロング小林、2.モンスター・ロシモフ&マイケル・ネイダー、3.サンダー杉山&グレート草津、4.ラリー・ヘニング&ボブ・ウィンダム、5.サンダー杉山&グレート草津、6.レッド・バスチェン&ビル・ハワード、7.ラッシャー木村&サンダー杉山 (木村が欧州遠征のため返上)、8.ストロング小林&グレート草津、9.マッドドッグ・バション&イワン・コロフ、10.グレート草津&ラッシャー木村(木村がIWAシングル防衛専念のため返上)、11.マイティ井上&グレート草津、12.ピエール・マーティン&マイク・マーテル、13.マイティ井上&グレート草津、14.リップ・タイラー&エディ・サリバン、15.マイティ井上&グレート草津(IWAタッグ・トーナメント開催にあたり返上)、16.ビッグ・ジョン・クイン&クルト・フォン・ヘス、17.グレート草津&アニマル浜口、18.星野勘太郎&山本小鉄、19.マイティ井上&アニマル浜口(浜口が負傷のため王座返上)、20.ストロング小林&永源遙、21.マイティ井上&アニマル浜口(浜口が急性肝炎のため王座返上)、22.ポール・エラーリング&テリー・ラザン、23.マイティ井上&阿修羅原 (56年8月 国際プロ崩壊のためタイトル消滅) |
豊登&ストロング小林 | モンスター・ロシモフ&マイケル・ネイダー | サンダー杉山&グレート草津 |
ラリー・ヘニング&ボブ・ウィンダム |
国内タイトル戦一覧 (左が選手権保持者) |
44年7月17日
大阪府立体育会館 61分3本勝負 ビッグ・サマーS 豊登&ストロング小林(2−1)スタン・ザ・ムース&オックス・ベイカー 豊登(逆片エビ固め 9分56秒)ベイカー 小林(体固め 4分43秒)ムース |
44年8月20日
岩見沢市スポーツセンター 61分3本勝負
ビッグ・サマーS 豊登&ストロング小林(2−0)ルター・レンジ&オックス・ベイカー 日本組(反則勝ち 9分49秒)外人組 小林(体固め 3分31秒)ベイカー 2週連続のタイトルマッチはふたたび日本組のストレート勝ち。 |
44年9月11日
岡山県営体育館 61分3本勝負 ロイヤル・シリーズ 豊登&ストロング小林(1− 0)スパルタカス&ワイルド・アンガス 小林(体固め 34分15秒)スパルタカス (時間切れ 引き分け) スパルタカス、アンガズの欧州コンビもTSコンビからは1本も奪えず。 |
44年12月6日
岩見沢市スポーツセンター 61分3本勝負 IWA世界タッグ挑戦
シリーズ 豊登&ストロング小林(2−1)イアン・キャンベル&ブルーノ・アリーントン (両軍リングアウト 7分12秒) 豊登(逆エビ固め 1分13秒)キャンベル 45年の1月9日に豊登りが現役引退を表明。この試合がTSコンビにとってIWA世界タッグ最後の防衛戦となった。このコンビはノーフォールのまま王座返上となった。 |
45年1月18日
福岡市九電記念体育館 61分3本勝負・
王座決定戦 新春チャレンジS マイケル・ネイダー&モンスター・ロシモフ(2−1)サンダー杉山&グレート草津 杉山(体固め 15分9秒)ロシモフ ロシモフ(体固め 9分8秒)杉山 ロシモフ(試合放棄)杉山 豊登の王座返上にともなう王座決定戦。豊登のパートナーだった小林はAWA世界選手権挑戦を控えており棄権。かわって欧州タッグ選手権コンビの杉山・草津組が抜擢された。しかし巨人ロシモフの猛攻で杉山が失神しはいたい。ネイダー&ロシモフのフランスコンビが第2代目王者となった。ネイダーは後に新日本プロにも登場したミッシェル・ナドール。 |
45年2月3日
広島県立体育館 61分3本勝負 新春チャレンジS マイケル・ネイダー&モンスター・ロシモフ (1−2)サンダー杉山&グレート草津 ロシモフ(体固め 13分28秒)杉山 草津(足4の字固め 6分32秒)ネイダー 杉山(体固め 4分16秒)ロシモフ 日本組がリマッチで見事に王座獲得、3代目王者となる。これで欧州タッグ選手権ととあわせ2冠王に。草津は英国西部、南部各タイトルと合わせて4冠王となった。この頃のロシモフはまだ無敵の大巨人ではなかった。 |
45年2月11日
東京 板橋区体育館 61分3本勝負 新春チャレンジS サンダー杉山&グレート草津 (2−1) マイケル・ネイダー&モンスター・ロシモフ (両軍リングアウト 9分48秒) 草津(足4の字固め 2分11秒)ネイダー |
45年3月19日
宮城県スポーツセンター 61分3本勝負 第2回IWAワールドS サンダー杉山&グレート草津 (2−0) イワン・ストロゴフ&グラン・ブラジミア 草津(体固め 11分43秒)ブラジミア 杉山(体固め 4分20秒)ストロゴフ |
45年5月7日
花巻市民体育館 61分3本勝負 第2回IWAワールドS サンダー杉山&グレート草津 (2−1) ビッグ・コマンチ&イワン・ストロゴフ 杉山(体固め 18分6秒)ストロゴフ コマンチ(体固め 6分20秒)杉山 杉山(体固め 5分48秒)コマンチ |
45年7月14日
新潟市体育館 61分3本勝負 ビッグ・サマーS サンダー杉山&グレート草津 (2−1)ジャック・デ・ラサルテス&ジョニー・コワルスキー 草津(体固め 14分23秒)コワルスキー ラサルテス(体固め 4分16秒)杉山 杉山(体固め 1分50秒)ラサルテス |
45年8月11日
苫小牧市王子スポーツセンター 61分3本勝負
ビッグ・サマーS サンダー杉山&グレート草津 (2−1)ドクター・デス&レス・ウォルフ デス(体固め 17分51秒)草津 草津(足4の字固め 5分11秒)デス 日本組(体固め 5分2秒)外人組 ドクター・デスの正体はこのタイトル国内初防衛戦のチャレンジャーであったスタン・ザ・ムース。 |
45年9月14日
北九州市小倉区体育館 61分3本勝負
ダイナマイト・シリーズ サンダー杉山&グレート草津 (2−1) ギル・ヘイズ&エリック・フローリッチ ヘイズ(体固め 16分15秒)草津 草津(体固め 4分30秒)ヘイズ 草津(足4の字固め 1分7秒)フローリッチ |
45年10月8日
大阪府立体育会館 61分3本勝負
ダイナマイト・シリーズ サンダー杉山&グレート草津 (2−1)メッサーシュミット&ブルー・デモン 日本組(反則勝ち 17分10秒)外人組 ディモン(片エビ固め 3分11秒)草津 草津(体固め 21秒)ディモン メッサーシュミットはクラウス・カーロフの変名。ブルー・ディモンはレス・ウォルフが正体。 |
45年10月15日
佐野市民体育館 61分3本勝負 ダイナマイト・シリーズ サンダー杉山&グレート草津 (2−0)ギル・ヘイズ&ブルー・デモン 草津(回転エビ固め 7分2秒)ディモン 杉山(原爆固め 3分43秒)ヘイズ |
45年11月19日
足利市月見丘高校体育館 61分3本勝負
ビッグ・ウィンターS サンダー杉山&グレート草津 (1−2)ラリー・ヘニング&ボブ・ウィンダム 草津(足4の字固め 13分21秒)ウィンダム ヘニング(体固め 2分18秒)杉山 ウィンダム(体固め 6分41秒)草津 ヘニング・ウィンダム組が第4代王者となる。ボブ・ウィンダムは後のブラックジャック・マリガン。 |
45年11月25日
三戸市中央体育館 61分3本勝負 ビッグ・ウィンターS ラリー・ヘニング&ボブ・ウィンダム (2−1)サンダー杉山&グレート草津 ヘニング(片エビ固め 13分22秒)杉山 杉山(体固め 11分15秒)ヘニング (両軍リングアウト 8分7秒) |
45年11月30日
館山市民センター 61分3本勝負 ビッグ・ウィンターS ラリー・ヘニング&ボブ・ウィンダム (1−1)サンダー杉山&ラッシャー木村 ヘニング(片エビ固め 13分23秒)杉山 杉山(体固め 8分59秒)ヘニング ウィンダム(体固め 2分32秒)木村 王座奪還に必死の日本側は草津に変えて木村を起用。しかし大型外人コンビに返り討ちに遭う。 |
45年12月1日
銚子市体育館 61分3本勝負 欧州タッグ選手権とのダブルタイトルマッチ
ビッグ・ウィンターS ラリー・ヘニング&ボブ・ウィンダム (1−1)グレート草津 & ラッシャー木村 ヘニング(片エビ固め 21分5秒)木村 木村 (逆エビ固め 10分秒)ヘニング (時間切れ引き分け) 3度目の正直に国際プロが挑戦者に選んだのは欧州タッグ選手権チームの草津・木村組。しかし結局は時間切れで逃げられる。外人が日本で獲得したタイトルを3度防衛したのはこれがはじめて。 |
45年12月12日
東京 台東体育館 61分3本勝負 ビッグ・ウィンターS サンダー杉山&グレート草津 (1−2)ラリー・ヘニング&ボブ・ウィンダム ウィンダム(片エビ固め 11分8秒)草津 草津(エビ固め 4分42秒)ウィンダム 草津(足4の字固め 4分10秒)ウィンダム 4度目の挑戦でようやくタイトルを奪還。草津・杉山組が王座に返り咲き5代目チャンピオンとなった。 |