欧州ヘビー級選手権

 

タイトルのあらまし

イギリスを中心とするヨーロッパ・マット界で’30年代から続いた由緒あるタイトルで、日本に持ち込んだのは国際プロレスの外人エースとなる前のビル・ロビンソンであった。日本に8ヵ月定住した43年にはIWA世界ヘビー級選手権を獲得したため、このタイトルの防衛戦は1度しか行われていない。ロビンソンは約6年に渡り同王座を保持し、無敗のままこのタイトルを返上している。チャンピオ・ンベルトも古風で非常に風格がある。

 

 

歴代王者

このタイトルの歴代王者に関しては田辺尚玄さんのプロレス道場を参照して下さい

 

国内タイトル戦一覧 (左が選手権保持者)
 
43年4月8日 岩国市体育館 61分3本勝負 日・欧チャンピオン決戦シリーズ
△ ビル・ロビンソン (1−1)サンダー杉山 △
ロビンソン(体固め 11分9秒)
杉山(体固め 2分45秒)
(両者リングアウト 5分54秒)
 
43年4月30日 東京都体育館 61分3本勝負 日・欧チャンピオン決戦シリーズ
△ ビル・ロビンソン (1−1)豊登 △
ロビンソン(体固め 14分39秒)
豊登(逆片エビ固め 7分25秒)
(両者リングアウト 3分22秒)

2回連続の両者リングアウト防衛。ロビンソンはラウンド制でないルールに不慣れだったか?

 
43年5月11日 横浜スカイホール 61分3本勝負 日・欧チャンピオン決戦シリーズ
○ ビル・ロビンソン (2−0)ジョン・リーズ ●
ロビンソン(体固め 24分10秒)
ロビンソン(体固め 14分42秒)

3日前の5月8日にコンビを組んでTWWA世界タッグ選手権に挑戦したものの、見事にストレート負けを喫したことがきっかけで仲間割れを起こしこの日のタイトルマッチとなったが、実力差は歴然。ロビンソンがストレート勝ちを収めた。

 
43年12月14日 東京・大田区体育館 61分3本勝負 ワールド・チャンピオン・シリーズ
○ ビル・ロビンソン (2−1)ピーター・メイビア ●
ロビンソン(エビ固め 12分42秒)
メイビア(体固め 3分3秒)
ロビンソン(体固め 3分56秒)

リング外でも仲の悪かったふたりの対決。この1戦でメイビアは不人気投票の上位にランクされた。

 
43年12月21日 大阪府立体育会館 61分3本勝負 ワールド・チャンピオン・シリーズ
○ ビル・ロビンソン (2−1) グレート草津 ●
ロビンソン(回転エビ固め 19分45秒)
草津(足4の字固め 6分25秒)
ロビンソン(体固め 1分26秒)
 
44年4月23日 東京・板橋区体育館 61分3本勝負 ワールド選抜シリーズ
○ ビル・ロビンソン (2−1)アルバート・ウォール ●
ウォール(体固め 14分29秒)ロビンソン
ロビンソン(体固め 7分14秒)ウォール
ロビンソン(逆片腕固め 7分14秒)

欧州ヘビー級選手権の日本で最後のタイトルマッチは英国においてロビンソンの最大のライバルであったアルバート・ウォールを挑戦者に向かえ行われた。このシリーズエース格だったウォールは大いに張り切るが、それがロビンソンを本気にさせたか、3本目は逆片腕固めなるサブミッション・ホールドで右肩を負傷そのまま途中帰国してしまった。シューター・ロビンソンの顔を覗かせた一戦であった。