第6,7回優勝者 豊登   第8回ワールドリーグ戦 開幕式

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第6回ワールド・リーグ戦 昭和39年

参加選手

日本組
豊登、芳の里、吉村道明、遠藤幸吉、ジャイアント馬場、金剛金太郎、ミスター・モト(日系代表)

外人組
ジン・キニスキー
、ロイ・マクラリティ(カナダ代表)、ブル・カリー、チーフ・ホワイト・ウルフ、ジン・ラーベル(以上アメリカ代表)、ザ・マミー(メキシコ代表)、カリプス・ハリケーン(オールラテン代表)、ジ

・アラスカン(アラスカ代表)

予選リーグ : 8分3ラウンド1本勝負

  豊登 キニ
スキ
ハリ
ケン
吉村 馬場 芳の
遠藤 金剛 アラ
スカ
カリ
ラー
ベル
マミ
ロイ モト  
豊登             7−0
キニスキー       8−1−1
ハリケーン         7−2
吉村             5−2
馬場             5−1−1
芳の里               4−2
遠藤               3−2−1
金剛               3−2−1
アラスカン             1−6
カリー                 0−5
ラーベル             0−5−2
マミー                 0−5
ロイ           0−8
モト                       0−2

 

優勝決定戦 8分3ラウンド1本勝負 ( 5月21日 東京体育館 )

○ 豊登(リングアウト 3回 2分45秒 )キニスキー●

豊登が初優勝。

解説

力道山没後初のワールドリーグ戦は豊登をエースに外人勢を迎え撃ったが、今回の外人はキニスキー、ハリケーン以外は弱体ばかりで、そろって日本組に白星を配給した。今回の注目はまだ見ぬ強豪のキニスキー、ハリーケーンとともに、怪奇派として期待の大きかったザ・マミー。しかし実力の方はさっぱりで、全敗に終わっている。今回からようやく日米対抗戦に近い形になってきたが、相変わらず外人同志の公式戦が行われていた。金剛金太郎は大木金太郎。また、ウルフは途中参加のため、公式戦は行なわなかったらしい。開幕前にはスタン・スタージャックの参加が決定していたが、キャンセルされている。

 

 

第7回ワールド・リーグ戦 昭和40年

参加選手

日本組
豊登、ジャイアント馬場、芳の里、吉村道明、遠藤幸吉、ミスター・モト(日系代表)

外人組
フレッド・ブラッシー
(ハンガリー代表)、ルーク・グラハム、ドン・マノキャン、ジャック・ペセク、アル・グリーン(以上アメリカ代表)、スイート・ダディ・シキ(西インド代表)、バロン・ガトニ(イタリア代表)

予選リーグ 8分3ラウンド1本勝負

○フォール・ギブアップ勝ち 、☆リングアウト勝ち 、◇反則勝ち 、□不戦勝 (1点)
△両者リングアウト 、▽時間切れ引き分け (0.5点)

 

  ブラ
シー
グラ
ハム
マノ
キャ
ペセ
グリ
ーン
シキ ガト
得点
馬場 5.5
芳の里
吉村 4.5
遠藤
モト

 

  馬場 芳の
吉村 遠藤 モト 得点
ブラッシー
グラハム
マノキャン
ペセク
グリーン
シキ
ガトニ

 

優勝決定戦 時間無制限1本勝負 ( 5月21日 東京体育館 )

○ 豊登(体固め 13分55秒)ブラッシー ●

豊登が二連覇を達成。

解説

上記のように豊登がめでたく二連覇を達成するのだが、リーグ戦にシステムが不明瞭である。豊登が予選に参加していない事を考えると、彼は前回優勝者という事でシードされていたとすれば、予選に参加した日本陣営は外人組の決勝進出者を選ぶための消化試合をした事になる。しかし予選の最終戦でその時点で日本組トップの馬場と外人組トップのブラッシーが対戦している事を考えると、予選に参加した両陣営のトップで準決勝を行ない勝者が豊登と決勝・・・ということも考えられなくはないが、それならば馬場とブラッシーは予選で二度闘っていなければつじつまが合わない。この大会も不透明なシステムに首をひねってしまう。開幕前にはターザン・タイラーの参加が決定していたが、負傷によりキャンセルしている。参加選手も過去の大会と比べるとかなり低調で、ブラッシー以外はとてもチャンピオン・クラスの強豪とは言えない。リーグ戦全敗で途中帰国したルーク・グラハムは帰国後まもなくペドロ・モラレスを破り、疑惑のWWA世界王者となり、豊登と王座統一戦に出場する。

 

 

第8回ワールド・リーグ戦 昭和41年

外人組と日本組の総当たりリーグ戦で予選を行ない、各陣営の最高得点者同志で決勝戦を行なう。

参加選手

日本組
ジャイアント馬場、吉村道明、キム・イル(韓国代表)、芳の里、上田馬之助、ミツ・ヒライ、ミスター・モト(日系代表)

外人組
ウィルバー・スナイダー
、ロニー・メイン、ジム・グラブマイヤー、ドン・ルーイン(以上アメリカ代表)、ペドロ・モラレス(オール・ラテン代表)、カンガルー・ケネディ(オーストラリア代表)、ビリー・ツー・リバー(カナダ代表)、アーマン・ハッサン(アフリカ代表)

予選リーグ 30分1本勝負

○勝ち (1点)、△ 引き分け (0.5点)、●負け(0点)

 

  スナ
イダ
モラ
レス
リバ
ハッ
サン
ルー
イン
ジム メイ
ケネ
ディ
得点
馬場 7.5
吉村
芳の里
モト
キム 6.5
ヒライ 2.5
上田

 

  馬場 吉村 芳の
モト キム ヒラ
上田 得点
スナイダー
モラレス 5.5
リバー
ハッサン 3.5
ルーイン 3.5
グラブマイヤー
メイン 2.5
ケネディ

 

優勝決定戦 61分3本勝負 ( 5月17日 東京都体育館 )

○馬場(2−1)ウィルバー・スナイダー ●

馬場(体固め13分15秒)
スナイダー(体固め 5分24秒)
馬場(カウントアウト 1分35秒)

馬場がワールド初優勝。

解説

力道山没後のエースだった豊登が解雇されたため、日本プロレスはジャイアント馬場とWWA世界タイトルを獲得して一気にメインエベンターの座を手にしたキム・イルをエースに押し立てた。外人勢は共に初来日のウィルバー・スナイダーと現役のWWA世界王者のペドロ・モラレスが覇を競う。この頃から外国陣営、日本陣営ともに2名づつが決勝進出を争うという図式が定番化する。最終的には僅差で馬場とスナイダーがそれぞれ勝ち残り、決勝に進出した。キム・イルの大木金太郎はこの頃が黄金期で、翌年から猪木の復帰、坂口のプロレス転向で、一気にナンバー2の座からずり落ちてしまう。

 

第9回ワールド・リーグ戦 昭和42年

外人組と日本組の総当たりリーグ戦で予選を行ない、各陣営の最高得点者同志で決勝戦を行なう。

参加選手

日本組
ジャイアント馬場、芳の里、吉村道明、グレート・イトー(上田馬之助)、ミツ・ヒライ、キム・イル(韓国代表)、デューク・ケオムカ(日系代表)

外人組
ワルドー・フォン・エリック
(ドイツ代表)、ザ・デストロイヤー、ダン・ミラー、マイク・デビアス、ジョージ・ハリス、オックス・アンダーソン(以上アメリカ代表)、ブッチャー・バション(カナダ代表)、パンピロ・フィルポ(アルゼンチン代表)

予選リーグ 30分1本勝負

○勝ち (1点)、△ 引き分け (0.5点)、●負け(0点)

 

  エリ
ック
デス
ミラ
バシ
ョン
デビ
アス
フィ
ルポ
ハリ
アン
ダー
得点
馬場 6.5
吉村
芳の里
イトー
ヒライ
キム
ケオムカ 3.5

 

  馬場 吉村 芳の
イト
ヒラ
キム ケオ
ムカ
得点
エリック 5.5
デストロイヤー
ミラー
バション
デビアス
フィルポ 1.5
ハリス
アンダーソン

 

優勝決定戦 60分3本勝負 ( 5月17日 横浜市文化体育館 )

○馬場(2−1)ザ・デストロイヤー ●

デストロイヤー(体固め1分46秒)
馬場(リングアウト23分59秒)
馬場(逆片エビ固め6分54秒)

馬場が二年連続優勝。

解説

外人組の優勝候補はデストロイヤーとワルドー・フォン・エリック、日本組の優勝候補は馬場とキムという下馬評で始まったこのシリーズだが、予選3試合を終えたキムがソウルでマーク・ルーインのWWA世界選手権に挑戦する事が決まり、リーグ戦を途中放棄してソウルに帰ってしまうというハプニングが起こったが、日本組では吉村が奮起し最後まで馬場と決勝進出を争った。外人組もデストロイヤーとエリックが最後までデッドヒートを繰り広げる。決勝ではデストロイヤーの四の字固めを封じた馬場が二連覇を達成し、馬場時代の到来を名実共に立証する事となる。

 

第10回ワールド・リーグ戦 昭和43年

外人組と日本組の総当たりリーグ戦で予選を行ない、各陣営の最高得点者同志で決勝戦を行なう。

参加選手

日本組
ジャイアント馬場、アントニオ猪木、大木金太郎(韓国代表)、吉村道明、星野勘太郎、ミツ・ヒライ、山本小鉄、デューク・ケオムカ(日系代表)

外人組
キラー・コワルスキー(ポーランド代表)、ジェス・オルテガ(メキシコ代表)、フレッド・ブラッシー(ハンガリー代表)、ターザン・タイラー(カナダ代表)、ドン・デヌーチ(イタリア代表)、パット・パターソン(アメリカ代表)、アンジェロ・ポッフォ(アルゼンチン代表)、レン・ロシイ(アメリカ代表)

予選リーグ 30分1本勝負

○勝ち (1点)、△ 引き分け (0.5点)、●負け(0点)

 

  キラ
オル
テガ
ブラ
ッシ
タイ
ラー
デヌ
ーチ
パタ
ソン
ポッ
フォ
ロシ
得点
馬場 7.5
猪木
大木
吉村
星野 2.5
ヒライ
山本
ケオムカ

 

  馬場 猪木 大木 吉村 星野 ヒラ
山本 ケオ
ムカ
得点
キラー
オルテガ
ブラッシー 5.5
タイラー 5.5
デヌーチ
パターソン
ポッフォ
ロシイ

 

優勝決定戦 60分3本勝負 ( 5月17日 大阪府立体育会館 )

○馬場(2−1)キラー・コワルスキー ●

コワルスキー(体固め9分26秒)
馬場(体固め3分57秒)
馬場(逆片エビ固め3分3秒)

馬場が三年連続優勝。

解説

馬場、猪木、大木の三羽烏が初めて揃ったワールドリーグ戦はまだ馬場の力がいっぽ抜きん出ている事を証明する結果的となった。外人組のエースにも対等に勝負できる馬場に対して、猪木と大木はやや気後れするところがあったようだ。吉村は今回は脇役に甘んじた感じ。外人メンバーは上位の3人はワールドリーグ戦参加経験者で、ややフレッシュな魅力に欠けていたようだ。ポッフォ、ロシイの二人が全敗というのもいただけない。それに対し星野、山本のヤマハ・ブラザースの初参加は新鮮味があった。