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ルー・テーズ・ベルト争奪戦  昭和56年

崩壊寸前の国際プロレスが起死回生のために開催したリーグ戦。55年10月に来日したルー・テーズから寄贈された世界選手権ベルトを争うというもので、予選を前期(新春パイオニアシリーズ)、後期(スーパー・ファイト・シリーズ)に分けて行った。予選ルールはブロックに分かれての総当りで、外人選手はブロック首位になれば無条件で、決勝に進出。日本人選手は前期、後期の通算勝率の上位4名が決勝に進出。秋に開催される決勝リーグには予選通過者に、テーズと国際プロレスの推薦選手を加えて行われるというものであった。

新春パイオニアシリーズ 前期予選参加選手 

Aブロック : 寺西勇、マッハ隼人、ホセ・アローヨ、ボブ・スウィータン
Bブロック : アニマル浜口、鶴見五郎、ジ・インベーダー、ベン・アレキサンダー
Cブロック : ラッシャー木村、マイティ井上、マイク・ジョージ、ジム・スター、レオ・ロペス

各ブロック1位の選手が決勝に進出。各ブロック2位の選手は敗者復活戦へ。反則負けの選手は即失格。両者リングアウトの場合は再試合。時間切れ引き分けの場合は延長戦を行う。試合は全て20分1本勝負。

○フォール、ギブアップ勝ち、☆リングアウト勝ち、▲両者リングアウト


 ホセ・アローヨ、マイク・ジョージが決勝大会出場権を獲得。

日本勢の勝敗は以下のとおり
浜口:3勝、木村:3勝1敗、井上:2勝2敗、鶴見、寺西:1勝2敗、隼人:3敗

 

スーパー・ファイト・シリーズ 後期予選参加選手 

Aブロック : マイティ井上、寺西勇、鶴見五郎、大位山勝三、エローデス、マイク・ボイエッチ
Bブロック : ラッシャー木村、アニマル浜口、マッハ隼人、レイ・キャンディ、エル・コバルデ、ルーク・グラハム、レッド・デビル

各ブロック1位の選手が決勝に進出。またブロック2位の選手が敗者復活戦に出場し、勝者が決勝に進出。反則負けの選手は即失格。両者リングアウトの場合は再試合。時間切れ引き分けの場合は延長戦を行う。試合は全て20分1本勝負

○フォール、ギブアップ勝ち、☆リングアウト勝ち、▲両者リングアウト


 Aブロックは井上と寺西が同点首位となり1位決定戦に勝った井上が1位。Bブロックは木村が全勝で1位。Aブロック2位の寺西と、Bブロック2位のキャンディの敗者復活戦は、キャンディが圧勝し決勝大会に進出決定。

日本勢の最終成績は以下のとおり

木村:9勝1敗、浜口:7勝2敗、井上:6勝3敗、寺西:5勝3敗、鶴見:4勝4敗、隼人:1勝8敗、大位山:5敗
よって木村、浜口、井上、寺西が決勝大会出場権を獲得。


解説

 すでに経営状態が逼迫していた国際プロレスが、起死回生のために企画したのがこのルー・テーズ杯争奪戦であった。前期予選ではマイク・ジョージ、ホセ・アローヨが、後期予選ではレイ・キャンディが勝ち抜き。日本側は木村、浜口、井上、寺西が決勝大会進出権を獲得した。これにテーズと国際プロレスが推薦する選手を加えて、秋に決勝大会を行うはずだったが、決勝大会開幕直前に国際プロレスは崩壊し、決勝大会は行われなかった。

 しかし、起死回生のリーグ戦にしてはメンバーが地味すぎる。ジョージとキャンディは他団体でもエース級となれようが、前期予選通過のホセ・アローヨは超ベテラン(ロートル)。レオ・ロペスはメキシコでも前座、ルーク・グラハムは全く動けなかった。もし決勝大会が行われていたとしたらということで、推薦メンバーを予想してみる。テーズの推薦といっても結局は国プロがブッキングできるレスラーに限られるわけである。まずは国際プロレスが売り出していた阿修羅原、外人では常連のアレックス・スミルノフ、そして思い切ってジェリー・ローラーあたりが来ていたのではないだろうか?