第1回優勝者 ハルク・ホーガン

 

IWGP決勝リーグ戦 昭和58年

フォール・ギブアップ勝ち○(5点)、リングアウト勝ち☆、反則勝ち◇、不戦勝□(4点)、両者リングアウト△、両者フェンスアウト▽(2点)

参加選手
アントニオ猪木、キラー・カーン、ラッシャー木村、前田明、ハルク・ホーガン、アンドレ・ザ・ジャイアント、ビッグ・ジョン・スタッド、オットー・ワンツ、カネック、エンリケ・ベラ

 

  猪木 カー
木村 前田 ホー
ガン
アン
ドレ
スタ
ッド
ワン
カネ
ック
ベラ 得点
猪木 37
カーン 24
木村 21
前田 14
ホーガン 37
アンドレ 36
スタッド 25
ワンツ 5
カネック 5
ベラ 4

 

決勝戦 (6月2日 東京蔵前国技館:時間無制限1本勝負)

○ホーガン(ノックアウト 21分27秒)猪木 ●

ハルク・ホーガンが初優勝。

総評 : 猪木の長年の夢IWGPがついに開幕。当初の予定では世界各地をサーキットしてリーグ戦を行うことになっていたが、結果的にはMSGシリーズとなんら変わらぬ国内でのリーグ戦になってしまった。カナダ・ゾーン代表にディノ・ブラボーが選抜され来日もしたが、自宅に強盗が入るという非常事態で緊急帰国。なぜかラッシャー木村が代打として出場した。リーグ戦前は前田の活躍に期待が集まったが、世界の壁は厚く10人中7位の成績に終わる。リーグ戦は猪木、ホーガン、アンドレの三つ巴の戦いとなるが、最終戦でトップ独走のアンドレがカーンと両者リングアウトの引き分けで脱落。同率首位の猪木とホーガンで決勝戦が行われたが、ご存知のように猪木がロープ越しのアックスボンバーに完全KOされ、病院送りという衝撃の結末。優勝者のホーガンの表情が曇っていたのが印象的だった。リーグ成績を見てみると、スタッドが地味ながらも4位に食い込む活躍。カーンはやや低調、メキシコ勢は体力差を見せ付けられた形となった。ワンツは猪木戦で負傷し途中帰国。

 

 

第2回 IWGP王座決定リーグ戦   昭和59年

フォール・ギブアップ勝ち○(5点)、リングアウト勝ち□、反則勝ち☆、不戦勝◇(4点)、引き分け△(2点)

参加選手
アントニオ猪木、藤波辰巳、マサ斎藤、長州力、ハルク・ホーガン、アンドレ・ザ・ジャイアント、ディック・マードック、アドリアン・アドニス、マスクド・スーパースター、ビッグ・ジョン・スタッド、ケン・パテラ、オットー・ワンツ、ビッグ・ジョン・クイーン

予選リーグ1位選手と前年優勝のハルク・ホーガンで決勝戦を行う。

 

  猪木 藤波 斎藤 長州 アン
ドレ
マド
ック
アド
ニス
マス
クド
スタ
ッド
パテ
ワン
クイ
ーン
得点
猪木 53
藤波 33
斎藤 26
長州 34
アンドレ 49
マードック 30
アドニス 25
マスクド 18
スタッド 2
パテラ 17
ワンツ 6
クイーン 10

 

決勝戦 (6月14日 東京蔵前国技館:時間無制限1本勝負)

△ホーガン(両者リングアウト 17分15秒)猪木 △

延長戦
△ホーガン(両者カウントアウト 2分13秒)猪木 △

再延長
□猪木(リングアウト 3分11秒)ホーガン■

アントニオ猪木が初優勝。

総評
前年の汚名挽回とばかりに猪木は大ハッスルし、予選リーグは全勝で通過。しかしながら決勝戦では2度の延長のあと長州力が乱入し猪木とホーガンに場外でラリアートを叩き込み、先にリングに上がった猪木がリングアウト価値で勝ち名乗りを受けたが、ファンは不透明裁定に納得せず、「金返せ」コールに始まり、座布団、空き缶が飛び交い、最終的には新聞に火をつけるファンも出るしまつ。猪木へのファンの評価は優勝で上がるどころか、急降下してしまうのであった。またこのシリーズは「呪われたIWGP」と呼ばれたが、この年はWWFの重鎮ビンス・マクマホンがシリーズ中に逝去。リング上で10カウント・ゴングで追悼した。

 

第3回 IWGP王座決定リーグ戦   昭和60年

予選=勝ち抜きトーナメント形式

参加選手
アントニオ猪木、坂口征二、藤波辰巳、木村健吾、アンドレ・ザ・ジャイアント、ディック・マードック、アドリアン・アドニス、マスクド・スーパースター、キンゴコング・バンディ、カネック、ロン・ミラー、スーパー・ストロング・マシーン

予選トーナメント優勝選手と前年優勝のアントニオ猪木で決勝戦を行う。

トーナメント1回戦

坂口征二(1−0)マスクド・スーパースター
ディック・マードック(1−0)木村健吾

スーパー・ストロング・マシーン(1−0)ロン・ミラー
アンドレ・ザ・ジャイアント(1−0)カネック

アドリアン・アドニス(1−0)キングコング・バンディ
藤波辰巳(1−0)マイク・シャープ

トーナメント2回戦

ディック・マードック(1−0)坂口征二
アンドレ・ザ・ジャイアント(1−0)スーパーストロング・マシーン
藤波辰巳(1−0)アドリアン・アドニス

敗者復活戦

坂口征二(1−0)アドリアン・アドニス

トーナメント準決勝

アンドレ・ザ・ジャイアント(1−0)ディック・マードック
藤波辰巳(1−0)坂口征二

トーナメント決勝

アンドレ・ザ・ジャイアント(体固め、6分17秒)藤波辰巳

決勝戦 (6月11日 東京体育館:60分1本勝負)

アントニオ猪木(カウントアウト、13分50秒)アンドレ・ザ・ジャイアント

アントニオ猪木が2連覇。

総評
この第3回は従来のリーグ戦ではなく、初めてトーナメント方式を採用。番狂わせといえば、藤波が坂口を破ったぐらいで、大きな番狂わせはなかった。予想どおりにアンドレがトーナメントを制して、猪木との決勝戦に駒を進めたが、ロープに宙吊りとなってカウントアウト負け。トーナメント方式は不評だったようで、翌年からはリーグ戦に戻った。

資料提供:Mタナカ氏

 

 

第4回 IWGP王座決定リーグ戦  昭和61年

A、Bブロックに分かれて予選リーグを行い、各ブロックの最高得点者で優勝決定戦を行なう。

フォール・ギブアップ勝ち○(5点)、リングアウト勝ち、反則勝ち☆、不戦勝◇(4点)、引き分け△(2点)

参加選手
アントニオ猪木、坂口征二、藤波辰巳、木村健吾、前田日明、藤原喜明、上田馬之助、アンドレ・ザ・ジャイアント、ディック・マードック、マスクド・スーパースター、ジミー・スヌーカ、ワイルド・サモアン、キューバン・アサシン、クラウス・ワラス

 

Aブロック 猪木 坂口 木村 藤原 アン
ドレ
マス
クド
ワラ
得点
猪木 25
坂口 15
木村 15
藤原 11
アンドレ 17
マスクド 14
ワラス 0

 

Bブロック 藤波 上田 前田 マド
ック
アサ
シン
サモ
アン
スヌ
ーカ
得点
藤波 17
上田 13
前田 21
マードック 21
アサシン 0
サモアン 9
スヌーカ 16

 

Bブロック代表決定戦(6月18日 松戸:60分1本勝負)

マードック(リングアウト、16分22秒)前田

決勝戦 (6月19日 東京・両国国技館:60分1本勝負)

猪木(体固め、30分7秒)マードック

アントニオ猪木が3年連続優勝。

総評

この大会から予選リーグはブロック制を採用。ファンの間では猪木と前田が別ブロックになったことで不満を漏らす声も。しかし試合内容は濃く、猪木がアンドレから始めてギブアップ勝ちの快挙。藤波と前田のリーグ戦はいまだに語り草となっている。しかしこのあたりから猪木の衰えは顕著に。

資料提供:Mタナカ氏

 

 

第5回 IWGP王座決定リーグ戦  昭和62年

A、Bブロックに分かれて予選リーグを行い、各ブロックの最高得点者で優勝決定戦を行なう。

フォール・ギブアップ勝ち○(5点)、リングアウト勝ち、反則勝ち☆、不戦勝◇(4点)、引き分け△(2点)

参加選手
アントニオ猪木、坂口征二、藤波辰巳、木村健吾、ジョージ高野、前田日明、藤原喜明、上田馬之助、ハックソー・ヒギンズ、コンガ・ザ・バーバリアン、スコット・ホール、キラー・ブルックス、アレックス・スミルノフ

 

Aブロック 猪木 藤原 坂口 藤波 ババ
リア
ホー
ブル
クス
得点
猪木 29
藤原 19
坂口 11
藤波 0
バーバリアン 18
ホール 13
ブルックス 4

 

Bブロック 斎藤 木村 高野 前田 上田 ヒギ
ンス
スミ
ルノ
得点
斎藤 28
木村 21
高野 13
前田 10
上田 4
ヒギンス 16
スミルノフ 4

 

決勝戦 (6月12日 東京・両国国技館:時間無制限1本勝負)

猪木(体固め、14分53秒)マサ斎藤

アントニオ猪木が4年連続優勝。初代IWGP王者となる。

総評

新日本プロレスはIWGPをタイトル化することに決定、このリーグ戦の優勝者が初代王者となることになった。よってこれが最後のIWGPリーグ戦となる。メンバーの顔ぶれを見ると、日本勢は充実しているが、外人勢はWWFとの提携が切れたことにより、ぐっと格が落ちた。リーグの目玉は日本人対決に集まるが、ここでも猪木と前田は別ブロックに振り分けられており、ファンの不満はたかまる。しかも前田は負傷し途中欠場、藤波も膝の負傷でリーグ戦を放棄。盛り上がりに欠けるリーグ戦となった。結局は順当に猪木と斎藤が勝ち進んで、決勝戦で猪木が勝利をおさめて初代王者に。決勝戦の後、全日本プロレスからUターンした長州が世代抗争をぶち上げて最後の最後で盛り上がりを見せた。

資料提供:Mタナカ氏