デストロイヤー 覆面10番勝負全成績

(資料提供 : 松本哲也氏)

 

第6戦のみ第3回チャンピオン・カーニバル 3位決定戦(30分1本勝負)。 他は全てUSヘビー級選手権(第1〜5戦は、61分3本勝負、第7〜10戦は、60分3本勝負)。

 

     
第1戦ではマスカラスが股間を強打して戦意喪失。   第2戦ではトルネードに大苦戦。   第3戦でようやく快勝。   バラクーダの正体はマリオミラノ

 

第1戦 49年7月25日 両国日大講堂

ザ・デストロイヤー(2−1)ミル・マスカラス

1.デストロイヤー (体固め 16分3秒)
2.マスカラス(体固め 4分52秒)
3.デストロイヤー(試合放棄 7分25秒)

解説 : このマスカラス戦は「覆面10番勝負」という名目ではなく「覆面世界一決定戦」という事で行われた。10番勝負はこれをシリーズ化したという訳だ。ところで試合内容は1本目がデストがニードロップからの体固め、2本目はマスカラスがダイビング・ボディアタックでそれぞれとった後の決勝ラウンドで、マスカラスがデストロイヤーをジャンプして飛び越えようとした際、タイミングがずれてデストの頭がマスカラスの股間を直撃して立ち上がれず試合放棄という無様な結果に終わった。これでデストはマスカラスに2連勝となった。

  

第2戦 49年8月9日  蔵前国技館

ザ・デストロイヤー(2−1)ザ・トルネード

1.トルネード(片エビ固め 11分17秒)
2.デストロイヤー(足四の字固め 7分58秒)
3.デストロイヤー(反則勝ち 9分3秒)

解説 :この一戦のためだけに来日したトルネードは相当の実力者で、デストは大苦戦。三本目も凶器攻撃でフォールを奪われるが、ウィットネスのジョン・リングレイの抗議により判定が覆り反則勝ちを拾った。 トルネードの正体は何とディック・マードックだった。

第3戦 49年10月5日 両国日大講堂

ザ・デストロイヤー(2−1)ジ・アベンジャー

1.デストロイヤー (回転エビ固め 9分15秒)
2.アベンジャー(体固め 2分44秒)
3.デストロイヤー(四の字固め 7分14秒)

解説 :マスカラス、トルネードからはすっきりした勝ちを上げられなかったですとだが、3戦目にしてようやくすっきりした勝ちを収めた。 アベンジャーの正体はムース・モロウスキー。試合前にマギー・ミネンコがデストを激励!

第4戦 50年1月4日  後楽園ホール  

ザ・デストロイヤー(2−1)ザ・バラクーダ

1.デストロイヤー (体固め 5秒)
2.バラクーダ(体固め 12分)
3.デストロイヤー(体固め 6分57秒)

解説 : 好調のデストロイヤーは一本目バラクーダを5秒でフォールする張り切りぶり。きれいに2フォールを奪って快勝した。バラクーダの正体はマリオ・ミラノ。

 

       

ハリケーンとは決着がつかず。

  再戦でようやくハリケーンを下す。   第6戦ではレスリングに快勝。  

ブラックデビルの正体はマヌエル・
ソトだったが・・・

  これが「本物」のブラックデビル。

 

第5戦 50年1月22日 那覇市奥武山体育館

ザ・デストロイヤー(1−1)カリプス・ハリケーン

1.デストロイヤー(回転エビ固め 11分50秒)
2.ハリケーン(体固め 5分22秒)
3.(両者リングアウト 5分51秒)

解説 : 1−1からの両者リングアウトで決着がつかず、29日に再戦することとなった。ハリケーンの正体はサイクロン・ネグロ。

  

第5戦(再戦)50年1月29日 東京都体育館  

ザ・デストロイヤー(2−1)カリプス・ハリケーン

1.ハリケーン(体固め 4分5秒)
2.デストロイヤー(エビ固め 5分13秒)
3.デストロイヤー(首固め 3分13秒)

解説 : マスカラス、デストと並ぶ当時の代表的マスクマンだったカリプス・ハリケーンとの試合は、途中ハリケーンのセコンドのボブ・ブラウンが乱入するなど大いに荒れた。しかし2度目の対決でようやく2フォールを奪っての決着を付けた所はさすが。

  

第6戦 50年5月1日  岡山武道館

ザ・デストロイヤー(後方回転エビ固め 27分2秒)ミスター・レスリング

解説 : 第6戦の相手は当時覆面実力ナンバー1といわれた本格派のミスター・レスリング。この試合は第3回チャンピオン・カーニバルの3位決定戦として行われた。予想通りの接戦となったが最後はデストがロープを利用した後方回転エビ固めで勝利を収めた。

  

第7戦=無効 50年5月27日 広島県立体育館 

ザ・デストロイヤー(2−1)ザ・ブラックデビル(偽者=マヌエル・ソト)

デストロイヤー (体固め 12分23秒)
デビル (体固め 2分19秒)
ストロイヤー (体固め 3分34秒)

解説 : 広島で行われた第7戦は正体がマヌエル・ソトで、これが偽者と判断された為、無効となった。来日前の宣伝用写真から偽者と判断したというが、来日を予告する別冊ゴング50年5月号に記事には「正体不明ですが、どうやらラテン系の選手らしい。噂によると素顔でニューヨークのリングに上がった事もある・・・」とあるが、この条件はマヌエル・ソトにぴたりと当てはまるのだが・・・。ちなみに宣伝用写真の正体はブル・ラモス説が有力。

 

 

   

仕切りなおしの第7戦でのスピリットの問題のシーン。

  再戦では鶴田の介入でデストが勝ちを拾う。   これが本物のデビルらしいが・・・。

 

第7戦 50年7月9日 大阪府立体育会館

ザ・デストロイヤー(2−1)ザ・スピリット

1.デストロイヤー(足四の字固め 9分14秒)
2.スピリット(体固め 7分41秒)
3.デストロイヤー(試合放棄 3分16秒)

解説 : 3本目はスピリットがロープを利用したエビ固めでデストをフォール。一度はザ・スピリットの勝利が宣言されUSタイトルもスピリットの手に渡ったが、判定が覆りこれを不服としたスピリットが試合放棄。日大講堂大会で再戦が行われることとなった。

第7戦(再戦) 50年7月25日 両国日大講堂

ザ・デストロイヤー(2−1)ザ・スピリット

1.スピリット(体固め 9分38秒)
2.デストロイヤー (体固め 3分12秒)
3.デストロイヤー (後方回転エビ固め 7分50秒)

解説 : スピリットの正体はキラー・カール・コックス。3本目にはデストのセコンドのジャンボ鶴田がスピリットにちょっかいを出し口論となったところをデストが背後から後方回転エビ固めを決めると言う不透明な結末に終わった。

  

第8戦 50年8月19日 札幌中島スポーツセンター  

ザ・デストロイヤー(2−1)ザ・ブラックデビル

1.デストロイヤー (体固め 9分46秒)
2.デビル (体固め 5分46秒)
3.デストロイヤー (体固め 1分57秒)

解説 : やっと「本物」のブラック・デビルが来日しての第8戦。しかし正体のブラックジャック・モースで、5月に宣伝用に配られたブラック・デビルの写真と特徴(ラテン系の選手)は全く異なるが誰もクレームはつけず。これもプロレス七不思議のひとつといえよう。

 

   

ジョーズ・ブーム二のって登場したシャーク。

  最終戦の相手はスーパー・デストロイヤー。   正体を暴かれ呆然とするスーパー。

 

 

第9戦 51年2月21日 後楽園ホール

ザ・デストロイヤー(2−1)ブルー・シャーク

1.シャーク (片エビ固め 6分22秒)
2.デストロイヤー (足四の字固め 6分35秒)
3.デストロイヤー (エビ固め 4分44秒)

解説 : 当時の「ジョーズ」ブームにあてたキャラクター「ブルー・シャーク」の正体は実力者のダン・ミラー。ミラーにはこのギミックは事前に知らされておらず、空港でマスクを渡されたという。それにしてもこの安直なギミックは実力者のミラーに気の毒な気がしてならない。

  

第10戦 51年8月28日 両国日大講堂

ザ・デストロイヤー(2−1)スーパー・デストロイヤー 

1.スーパー(体固め 17分35秒)
2.デスト(体固め 2分50秒)
3.デスト(足四の字固め 8分2秒)

解説 : 本家のデストロイヤーがアメリカをするにしている間に「デストロイヤー」を名乗る覆面レスラーが多く出現したが、中でもドン・ジャーディン(本名:サニー・クーパー)のスーパー・デストロイヤーは本家のデストロイヤーをしのぐ知名度を得ていた。「実力も本家を上回るのでは・・・」という評判が立ち、本家のデストを大いに怒らせた。この様な経緯からまさに覆面世界一シリーズを締めくくるには、最高の対戦相手だった訳だ。試合も体格差のハンデを跳ね返した本家デストが勝利を収め、十番勝負の幕を閉じた。

総評 : この覆面世界一決定戦10番勝負は、チャンピオン・カーニバルと並び初期の全日本にとって大ヒット・シリーズとなった。途中不透明な偽者騒ぎなどもあったが、対戦相手もほとんどが一流と呼べる実力者であった。その対戦相手すべてから白星をもぎ取ったデストロイヤーの充実ぶりは評価に値するのではないか?ビデオ発売を望む!