第1回カールゴッチ杯争奪戦 昭和49年

若手選手の登竜門として創設された、総当たりによるリーグ戦。優勝者には優勝ジャケットが進呈され、リングコスチュームとすることを許された。

出場選手 : 荒川誠、大城大五郎、小沢正志、木村たかし、栗栖正伸、ドナルド・タケシ、藤波辰巳、藤原喜明、リトル浜田

○ 勝ち 、◇ 不戦勝 (各1点)、△ 引き分け(0.5点)、あらゆる負け(0点)

 

  荒川 大城 小沢 木村 栗栖 タケ
藤波 藤原 浜田 得点
荒川 3.5
大城
小沢
木村
栗栖 3.5
タケシ
藤波
藤原
浜田

 

決勝戦 12月8日 刈谷市体育館

○ 藤波 ( 10分37秒 逆さ押え込み ) 小沢正志 ●

優勝者 藤波選手の談話
まだ実感が湧いてこないんで良く分からないんです。でも、優勝ジャケットを着てリングに上がった時、どう感じるかな、とにかく何が何でも次回のゴッチ杯も必ず優勝してみせます。

解説

今から思えば、そうそうたる顔ぶれ。一部を除いて全員が、海外遠征しメインエベンターになったものばかりである。得点を見ればその後の新日本プロレスにおける地位が繁栄されていて非常に興味深い。木戸修は既にワールドリーグ戦にも出場しており、ゴッチ杯出場者よりは格上であった。決勝戦のレフェリーは猪木が務めた。優勝者の藤波は翌年木戸修とともに西ドイツ遠征へと旅立つ。

 

 

第2回カールゴッチ杯争奪戦 昭和50年

若手選手の登竜門として創設された総当たりによるリーグ戦の第2回大会。優勝者には優勝ジャケットが進呈され、リングコスチュームとすることを許された。

出場選手 : 荒川誠、大城大五郎、小沢正志、木村たかし、栗栖正伸、藤原喜明、小林邦明

20分1本勝負 ○ 勝ち 、◇ 不戦勝 (各1点)、△ 引き分け(0.5点)、あらゆる負け(0点)

 

  荒川 大城 小沢 栗栖 小林 木村 藤原 得点
荒川 3
大城 3.5
小沢 3.5
栗栖 △● 1
小林邦 1
木村 △○ 4.5
藤原 4.5

 

決勝戦 12月7日 刈谷市体育館

○ 藤原 ( 14分5秒 体固め ) 木村 ●

解説

 第2回の本命は小沢であったが、荒川に足元をすくわれ脱落。その間隙をぬったのが前回3位の木村と、4位の藤原であった。結局、予選を無敗で通過した木村を藤原が破って優勝。ドイツ遠征を決めた。ほかでは前回0点だった大城が好成績を収め、成長の後をうかがわせた。なお、木村と栗栖は1度目の引き分けを不服として再戦をおこなった。また、栗栖−藤原、栗栖−小沢は公式記録に残っていないため、星勘定から考えるに栗栖の不戦負と思われる。

 

 

第3回カールゴッチ杯争奪戦 昭和51年

若手選手の登竜門として創設された総当たりによるリーグ戦の第3回大会。優勝者には優勝ジャケットが進呈され、リングコスチュームとすることを許された。

出場選手 : 魁勝司、木村聖裔、荒川誠、大城大五郎、小林邦明、栗栖正伸、佐山聡

20分1本勝負 ○ 勝ち 、◇ 不戦勝 (各1点)、△ 引き分け(0.5点)、あらゆる負け(0点)

 

  木村 荒川 大城 小林 栗栖 佐山 得点
●○ ●○ ●○ ○○ ○○ ○○ 9
木村 ○● ●○ ○● ○○ ○● ○○ 8
荒川 ○● ○● ○● ○● ○○ ○○ 8
大城 ○● ●○ ●○ ○● ●○ ○○ 7
小林邦 ●● ●● ●○ ●○ ○● ○○ 5
栗栖 ●● ○● ●● ○● ●○ ○● 4
佐山 ●● ●● ●● ●● ●● ●○ 1

 

決勝進出者決定戦 12月6日 美濃加茂市中茂体育館

○ 木村 ( 9分55秒、首固め ) 荒川 ●

決勝戦 12月7日 岡山武道館

○ 魁 ( 14分4秒、エビ固め ) 木村 ●

魁の談話
「俺が勝つ様ではダメ。俺を踏み超えていってほしい」

解説

 ゴッチ杯争奪戦は元々「若手の登竜門」の趣旨で行なわれたものだが、第3回の争奪戦にはキャリア15年の魁が参加し物議をかもす。この大会は2回戦制が採用され、順当に魁が首位で決勝進出を決め、木村と荒川が同点2位となり、決勝出場者決定戦で荒川を倒した木村が決勝に進出した。決勝では魁が木村に貫録勝ち。木村は2年連続で優勝を逃したが、これのその後のプロレス人生を暗示しているようだ。ゴッチ杯争奪戦は第3回を最後に打ち切られた。