足場デスマッチ(スキャッフォルド・マッチ)

2002.11.14update

建築現場で見かける足場の上で戦うというデスマッチ。

 

 海外では頻繁に行われても日本では受けないだろうなぁというデスマッチは多いが、中でも本邦未公開のスッキャフォルド・マッチ=足場デスマッチはデスマッチ=流血をいう固定観念の強い日本では受けなかっただろう。これはリングから4m上に建築現場でよく見かける足場を組んでその上で戦い、相手を二回足場から転落するか、転落して再び足場に戻れなかったレスラーが負けというルールである。これはデスマッチというよりアトラクション・マッチといったほうがよかろう。

 

   
二回足場から転落か立ち上がれなかったら負け!

  

 ここで紹介したのは1982年6月29日にケンタッキー州ルイビルで行われた足場デスマッチ。足場の上で闘っているのは、当地で人気のビル・ダンディとスウィート・ブラウン・シュガー(ココ・ウエア)である。両者は前年の秋から抗争を開始し、そのクライマックスとして行われたのがこの足場デスマッチであった。このような不安定な足場では技らしい技もほとんど出ず、せいぜいショルダースルー、ボディスラムが出たぐらい。結局、16分過ぎに転落したダンディが20分過ぎにシュガーを転落させ、マットに叩きつけられたシュガーは立ち上がれずKO負け。ベビーフェイスのダンディの勝利で幕を閉じた。どちらが転落するかというスリルを楽しむこの試合形式は昭和の日本では受けなかっただろう。

 ちなみにこの写真を撮影したのは、まだファンクラブの会長だったジム・コルネットである。コルネットは後に悪党マネージャーとしてブレイクする。