昭和プロレス秘宝館

WRESTLING WORLD 70年2月号

2002.9.29update

 

  目次

偉大なるザ・シーク byルー・シャハディ
野牛のたくましさ ジェス・オルテガ byアーニー・サルバトーレ
ミゼットの筋肉
1ポンドの生肉 コワルスキー byジョン・ヴィンセント
旅するカウボーイ フランキー・レイン byルー・シャハディ
大流血!(ビクター・リベラ)
ハンス・モーテイアを駆り立てる復讐心 byジョン・ヴィンセント
女子レスラーの愚行
卑劣な男 ディック・ザ・ブルーザー byアーニー・サルバトーレ

カラーギャラリー
ディック・ダン、レス・ウェルチ、サイクロン・ネグロ、ジャック・ブリスコ

価格60セント

  

 新コーナー「昭和プロレス秘宝館」。第一回はリアルタイムでは非常に入手困難だったアメリカのプロレス専門誌の中からレスリング・ワールドの70年(昭和45年)2月号を紹介します。

 昭和45年当時、洋書を入手するのは非常に困難で、しかも高価だった。ご存知のようにアメリカの雑誌は日本の雑誌のようにしっかりした紙を使っておらず、表紙もぺらぺらのとても立派とはいえない代物である。しかし掲載されている魅力的な写真などにあこがれて、何とか入手しようとファンは躍起になったという。やはり海外情報の少ない時代だったから、このような雑誌でダイレクトに海外情報を入手することにファンは喜びを感じたのであろう。

 

   

 

 巻頭は6ページに渡ってザ・シークが取り上げられている。マネージャーのアブドーラ・ファルークのインタビューを元にした記事で、写真はブルドッグ・ブラワーとの金網デスマッチが使用されている。この当時シークはまだ見ぬ強豪で、彼のファイト写真を見てファンは想像を膨らませたことだろう。続いて日本ではおなじみのジェス・オルテガの記事。オルテガは朝鮮戦争で5発の銃弾を受けたというが、彼はアメリカ国籍を取得していたのであろうか?小人プロレスのファイト写真に続いてキラー・コワルスキーの特集。「菜食主義者になっても殺人鬼の凄みは衰えない」とある。続いてはデトロイト地区で人気絶頂だったフランキー・レインが紹介されている。日本で婦女暴行事件を起して国外退去になったのは1年後のことであった。次にビクター・リベラの大流血を写真で紹介している。

 そしてこの雑誌の目玉のカラーグラビアが登場。登場するのは左からサイクロン・ネグロ(ベルトはフロリダ選手権)、ジャック・ブリスコ、ディック・ダン(新日本プロレスに来日)、レス・ウェルチ(未来日)の4名。

 

     

 

   

 

 グラビアのあとの記事はハンス・モーティアが登場。日本ではターザン・ゾロ、ドクター・Xで来日しているドイツ系の強豪だ。彼のサンマルチノへの執念にスポットを当てている。アメリカでのフィニッシュはフルネルソンだったようで、向こうでは「vicious sleeper hold」と呼ばれていたようだ。続いては女子プロレスの写真。かなり偏見を持って女子プロレスを紹介している。次に登場するのはディック・ザ・ブルーザー。クラッシャーとのツーショット、バションとの流血戦、麻酔なしでキヅ傷口を縫われている様子などど迫力の写真が続く。続いての白黒グラビアはダニー・ホッジとボボ・ブラジル。次のページにはレーティングスが掲載されているので、ここに紹介しておく。

世界王者=ブルーノ・サンマルチノ、北米王者=バーン・ガニア、US王者=ザ・シーク、カナダ王者=ジン・キニスキー、パシフィック王者=ボボ・ブラジル

1.キラー・コワルスキー、2.フレッド・ブラッシー、3.ダニー・ホッジ、4.フリッツ・フォン・エリック、5.ルー・テーズ、6.アーニー・ラッド、7.フレッド・カーリー、8.イゴール(ボディック)、9.ドクターX(デストロイヤー?)、10.ブル・カーリー、11.ドクター・ビル・ミラー、12.ディック・ザ・ブルーザー、13.クラッシャー・リソワスキー、14.レイ・スティーブンス、15.ペッパー・ゴメス、16.カウボーイ・ビル・ワット、17.サンダーボルト・パターソン、18.ゴリラ・モンスーン、19.キラー・オースチン、20.ドクター・ジェリー・グラハム、21.ヘイスタック・カルホーン、22.カウボーイ・ボブ・エリス、23.ブルドッグ・ブラワー、24.ウィルバー・スナイダー、25.ワルドー・フォン・エリック、26.アントニオ・プグリシー、27.ホイッパー・ワトソン、28.ピエール・ラ・ベル、29.ジョージ・スチール、30.ハーリー・レイス、31.ポール・ダイヤモンド、32.マンマウンテン・カノン、33.ラリー・ヘニング、34.エドワード・カーペンティア、35.カウボーイ・フランキー・レイン、36.ペドロ・モラレス、37.ミグエル(マイケルの誤記?)・シクルナ、38.ロッキー・ジョンソン、39.ベン・ジャスティス、40.ダン・ミラー、41.パット・オコーナー、42.ジェス・オルテガ、43.アル・コステロ、44.ロード・レイトン、45.ユーコン・ムース(ショーラック)、46.ディック・スタインボーン、47.ルーク・グラハム、48.ドン・デヌーチ、49.ザ・ストンパー(ガイ・ミッチェル?)、50.デウィ・ロバートソン

タッグ王者=ブルーザー&クラッシャー

1.ミツ・アラカワ&タロー・タナカ、2.ヘルス・エンジェルス(エミール、ロン・デュプレ)、3.シシリアンズ(トニー・アルチモア&ルー・アルバーノ)、4.ビリー・レッド・ライオン&レッド・バスチェン、5.マイティ・インフェルノス、6.メディコス、7.ジョニー・ウェーバー&(ブルーノ?)・ベッカー、8.リップ・ホーク&スウェード・ハンセン、9.チェーン・ギャング、10.トニー・プグリシー&ドン・デヌーチ、11.ザ・クレインズ、12.ラリー・ヘニング&ハーリー・レイス、13.(ジョージ&サンデー)スコット兄弟、14.(モーリス&ポール)バション兄弟、15.ボブ・ガイゲル&ザ・バイキング

 一応女子のランキングもあるがここでは割愛する。全体的に見るとWWWF、デトロイト地区を中心にAWA地区、旧WWA地区の選手も含めてのランキングになっており、NWA系の選手の名前はほとんど見えない。かなり偏ったレーティングである。しかしAWA世界王者のバーン・ガニアを北米王者、WWAのボボ・ブラジルを太平洋岸王者に格下げしているのには笑える。日本人レスラーが一人もランキングされていないのも、不可解で東部のファンをターゲットにした雑誌であることが良くわかる。しかしシングル・ランキング28位のピエール・ラ・ベルとは誰?