昭和プロレス秘宝館
WRESTLING REVUE 69年8月号
2002.10.2update
おもな記事 親友でありライバルのペセクとアダムス by
D.W.Van Vleet 価格50セント |
好評いただいている「昭和プロレス秘宝館」アメリカ・プロレスリング誌シリーズ。今回からはレスリング・レビューの登場です。 |
巻頭の記事はジェリー・アダムスとジョン・ペセク(ジャック・ペセクの父親)の友情物語。12ページにはブラックジャック・ランザが登場。正統派から悪党に変身した経緯などを紹介している。14ページには戦前の女子レスラージーン・ハッケンシュミットの紹介。ジョージとの血縁関係はなさそうだ。続いては「サンホセへの道」なる当時のヒット曲からとったタイトルがつけられたカリフォルニアの試合グラフ。パット・パターソン、レイ・スチーブンス、ペッパー・ゴメッツ、ペドロ・モラレス、マサ斎藤らが登場。キンジ渋谷はケンジ渋谷と紹介されている。19ページには新日本プロレスに来日したことのあるグレッグ・ピーターソンの紹介記事。小柄な彼の奮闘ぶりが紹介されている。当時はサイレント・ロドリゲスとのコンビで活躍していたらしい。奥さんのボビーもレスラーだったようだ。22ページにはドン・スレートンに半殺しにされたJCダイクスの痛々しい入院姿が紹介されている。 |
24ページには日本にもやってきた「弱体コンビ」ビジランテスのロス登場を伝える記事が掲載。彼らの正体はトンデモ外人の最右翼のクリスティー兄弟だから弱くて当然。続いてはケベックでの試合グラフ。当時のケベックでヒールのトップはイワン・コロフ、これを迎え撃つのは地元の英雄ジャック・ルージョーであった。ほかにアブドーラ・ザ・ブッチャー、ジノ・ブリットも登場している。28ページからは日本でもおなじみのスタイガー兄弟が登場。当時の主戦場であった北西部での暴れっぷりを紹介。このあとのファンが撮影した写真のコーナーにはなんとイギリス時代のビル・ロビンソンが登場する。フレッド・ペリーのスポーツジャケットを着込んだロビンソンはまさにイギリスのスポーツマンといった感じがする。 |
続いてはロニー・エチソンの記事。彼こそプロ中のプロと絶賛している。当時はカンサスでダーティ・ディックと呼ばれていたディック・マードックと抗争を展開していたようだ。さらにマリオ・ガレントとブルー・ディモンズの紹介記事。マスクをつけたままスーツを着込んでテレビインタビューに臨むブルーディモンズに写真はどこかこっけいだ。42ページにはポートランドで行われたキニスキーとジョナサンのNWA世界戦をレポート。レフェリーはシャグ・トーマス。二人の激突は写真で見るだけでも迫力が伝わってくる。日本では結局実現しなかった夢のカードである。結果はモルモンシクルをキニスキーが耐え抜き、時間切れ引き分けに終わった。続いてはオーストラリアに登場したゴージャス・ジョージ・マーフィーの紹介記事。「パット・パターソン、リッキー・スター、ゴージャス・ジョージへのオーストラリアの答え」というサブタイトルからもわかるように、オカマ・ギミックのレスラーである。つづいてはゴングでもおなじみのミシェール・ビゼーのフランス・レポート。Jakey Wecz, Walter Bordes, Joel de Noirbreuilらが紹介されている。 |
50ページからはブライアン・ディクソンのイギリス情報。カウント・バーテリー、オリグ・ウィリアムス、ドクター・デス、ジ・アウトロー(ゴードン・ネルソン)、チーフ・サンダーバード、レオ・アラス、レス・ケレット、ジョニー・アランといったレスラーが写真入りで紹介されている。ドクター・デスは思ったより小柄だ。62ページには各地の試合結果が掲載されている、当時のゴングやプロレスに掲載されていた海外熱戦譜はこれを和訳したものだ。トーア・カマタがカンサスに登場している。面白いのが最後のページのカラテの通信教育の広告に清美川が登場している。裏表紙は何とビル・ロビンソン! それではお待ちかねのレーティングスを紹介しよう。 ヘビー級 ジュニア・ヘビー級 タッグ このレーティングスは結構全米各地を公平に見ているような気がするが、やはりキニスキーやジュニアの評価は低い。テネシーのローカルレスラーであるドン・グリーンがランクされているのは意外。タイムラグもあるがワスリング・ワールドで上位にランクされていたコワルスキーやブラッシーは大分下のほうにランクされている。ジュニアヘビー級ではビル・ロビンソン、ジャック・ブリスコ、パット・パターソンなどがランクされていて意外な気がするが、裏表紙のロビンソンの体つきを見ると、ジュニアヘビー級でランクされてもおかしくはない。日本になじみの多いレスラーが顔を出しているヘビー級のランキングとは違って聞きなれないレスラーが多い。タッグではやはり 前回紹介したレスリング・ワールドに比べ、写真も豊富な上に、記事もワールドワイドなものでこちらの方は格段に面白い。しかし、当時のアメリカのプロレス雑誌は、日本の雑誌とはちがい、12ページに見出しがあって、続きは52ページへというような構成になっていて、非常に読みにくいのが難点。 |